北品川「そっくりさん人形」の店-オープン工房にリニューアル

アトリエパレットの伊藤社長(右)とデザイナーの杉田香織さん。

アトリエパレットの伊藤社長(右)とデザイナーの杉田香織さん。

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 北品川駅近くの旧東海道沿いにある着ぐるみ専門店「アトリエパレット」(品川区北品川1、TEL 03-5796-2278)が工房を2階から1階に移動し、オープン工房にリニューアルしてから3カ月が過ぎた。経営はアトリエパレット(同)。

「アトリエパレット」の外観

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 同社は着ぐるみ、ぬいぐるみ、ディスプレー人形などを製作するほか、イタリアのペットフード「フォルツァ ディエチ」の総輸入元であり、ペット用品の販売も展開。リニューアル以前は1階のスペースをペット用品、2階を人形作りの工房にしていたため人形作りの職人が接客しにくかった。しかし、1階に工房を置くことで通行人の目を引き、休日は街歩きの観光客などが立ち寄るなど人の流れが活発になったという。

 看板商品はそっくり人形の「マイドール」。1枚の写真や絵からすべて手作りでそっくり顔の人形を作る。布と布の間に綿を入れて顔の輪郭を作る技術で1996年に特許を取得。同社社長の伊藤修子さんは「そっくり顔のフィギュアを扱う店は多いが、店舗を構えてぬいぐるみを展開しているのはうちだけ」と胸を張る。

 価格は、高さ約30センチの「マイドールミニ」=1万5千円~、細かい服装まで再現するすべて特注の「マイドール」=3万円~。「『マイドール』の需要は年配の男性・女性に多いが、最近は個人の注文より退職者へのプレゼントなど企業の需要も高まっている。世界に一つしかないので多少予算がかかっても特注品を注文する人が多い」(伊藤さん)。

 もともとピアニストだった伊藤さんは、ロンドン滞在中にアンティークドールを競り落とすビジネスを始めた。その後大手業者の勢いに押され、地方で人形を探すようになる。片腕がとれるなど不具合のある人形を修復していくうちに、今度は人形作りの製法や構造を習得。その後日本に帰国し、出産を経て子育てしながらオリジナルの人形作りを始めた。青山などに店舗を構え、「風水で決めた」という北品川には2年前に移転してきた。

 今後の展望について、伊藤さんは「教室やカルチャースクールなどで当社の技術を広めていければ。昔に比べてものづくりをしない人が増えたが、何もないところから布と糸で作り上げる楽しさや素晴らしさを伝えていきたい。さらに人形作りを通して人材の育成ができれば、当社の認知度やブランド力の向上につながる」と意気込む。

 営業時間は12時~20時。日曜・祝日定休。毎週土曜には、「そっくりマスコット人形教室」も開講している。参加費は4,000円。

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