目黒駅前41階・38階高層ビル建設の住民説明会-「風害心配」の声も

4月10日の説明会に集まった近隣住民は約60名。質疑応答がやや長引いたこともあり、予定時刻を15分ほどオーバーして終了した。

4月10日の説明会に集まった近隣住民は約60名。質疑応答がやや長引いたこともあり、予定時刻を15分ほどオーバーして終了した。

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 目黒駅前地区市街地再開発準備組合は4月9日・10日、近隣住民に向けた目黒駅前地区第一種市街地再開発事業の計画概要説明会を開いた。同組合は約130人の地権者を中心に構成されている。

目黒通りに面した目黒駅前地区

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 目黒駅前地区(品川区上大崎3)は、東京都交通局目黒自動車営業所跡地1ヘクタールを含む約2.3ヘクタールの区域。JR・東急目黒駅東口側、目黒通りと花房山通りに隣接している。2005年には「上大崎三丁目地区まちづくり協議会」が発足し、翌年には目黒駅前地区第一種市街地再開発事業として同再開発準備組合を設立。目黒駅前に広がる広大な一等地の再開発計画が進められてきた。

 説明会では、同計画のプロジェクトマネジメントを手がける日本設計の担当者が「目黒駅前地区 計画概要説明会資料」に沿ったプレゼンテーションを実施。より具体的な計画方針や平面イメージ、景観形成、イメージパース、さらに日照や風環境に関するデータを示した。

 計画概要によると、同地区を目黒通り沿い側の「にぎわいゾーン」(Aゾーン)と花房山側の住宅ゾーン(Bゾーン)に分割。Aゾーンはオフィス棟とノースレジデンス棟(約450戸)から成る41階のツインタワー、Bゾーンは38階のサウスレジデンス棟(390戸)を中心とする居住地区となっている。敷地内には「文化の広場」ほか、豊かな植栽を施した「森」を整備するという。

 質疑応答では、近隣住民から「もっと周辺地域に配慮した低層ビル計画はなかったのか」「低層住宅地区と隣接しているが、景観面で周囲との調和はどう考えているのか」「目黒駅周辺は高台にあり、普段から風の強い場所。駅の反対側に高層マンションができたことで、行人坂で壊れたビニール傘の放置が以前より増えた。今回の高層建築によって風害が心配」などの声が出た。

 これに対し、同組合の理事の一人は「敷地を覆い尽くす大型劇場型や団地型の案もあったが、デメリットが多かった。長期的に見れば、駅前の土地を無造作に乱開発するより、地権者がまとまって再開発プロジェクトを進めた方が、緑化による環境整備や道路拡張などを実行できると考えた」と答え、景観面や風環境については「近隣住民からの声を持ち帰り、今後の計画に生かしたい」とした。

 同プロジェクトは、これまで2012年度着工、2015年度完成を目指していたが、今回の発表では事業計画の流れを改訂。今年10月に都市計画決定・告示を行い、2014年着工、2017年の工事完了を予定している。

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