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三田・ケムコで今年の干支「巳」テーマの新春展 多様な姿のヘビ作品を展示

『博物誌』、フィリッポ・ブオナンニ、1773-1782 年刊、慶應義塾図書館、荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション(写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

『博物誌』、フィリッポ・ブオナンニ、1773-1782 年刊、慶應義塾図書館、荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション(写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

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 新春企画展「へびの憩う空き地」が1月9日、「慶応義塾ミュージアム・コモンズ(通称=KeMCo)」(港区三田2、TEL 03-5427-2021)で始まる。主催は同施設。

虫の歌合、[居初つな]筆画、[江戸前期]写、六曲一双、慶應義塾図書館(写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

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 KeMCo(ケムコ)は、慶応義塾大学が所有する文化財を収蔵、管理、展示するほか、文化財を起点に大学と関わるあらゆるコミュニティーが交流する場を作る施設。2021年の開設以降、年始は干支(えと)にちなんだ企画展を開く。昨年の企画展には、近隣の住民や同大学関係者、系列校の生徒やその家族など1452人が来場したという。

 専任講師の本間友さんは、展示の特徴について「大学のコレクションは教育と研究の両方の視点から集めた文化財のほか、大学に縁のある方からの寄贈品が並ぶ。大学のコミュニティーの活動が反映されており、多様な文化財が一度に鑑賞できる」と話す。「年を重ねるごとに協力するキャンパスが増え、今年は幼稚舎所有の作品も展示予定。企画展のタイトルは、人間や動物を襲う恐ろしいヘビではなく、とぐろを巻いて寝ているようなヘビを連想してもらいたくて付けた」とも。

 展示作品は約50点で、分野は日本文学や自然科学、東洋史、西洋史など多岐にわたる。「明治のへび」「動物界のへび」「恐ろしげなへび」「うたとへび」「想起させるへび」「象徴するへび」「物語のへび」「舞踏とへび」の8つのセクションで展示を行う。

 1月18日午後には、慶応義塾大学文学部教授の石川透さんが「虫の歌合」びょうぶを解説するギャラリートークを開く。同作品は、江戸時代に虫のカテゴリに分けられていたヘビが、他の虫たちと共に擬人化され、秋に集まって歌合わせをする様子を描いている。

 「干支を切り口に『なぜ大学にこの文化財があるのか?』という意外性を楽しみながら考えてほしい」と本間さん。「ヘビや爬虫(はちゅう)類が苦手な人でも、距離を保って楽しめる展示にした。どんなものがあるのか、想像しながら見てほしい」とも。

 開催時間は11時~18時。土曜、日曜、1月20日、2月3日休館。入場無料。2月7日まで。

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