中延の「蛇窪神社」(品川区二葉4)に多くの参拝客が訪れ、年始から20日間たった現在も行列が続いている。
蛇窪神社近隣の「遠藤米穀店」で販売するへびくぼみやげ「財運白蛇」。白ヘビの聖地とされる山口県岩国市の「八百新酒造」製造
蛇窪神社は1323年ごろ、蛇窪(現在の品川区二葉4丁目付近)の地に創建。龍神や、現在の戸越公園の池に住んでいたという白ヘビを祭る。同神社の公式サイトでは、「白蛇さまは良い御縁を授け、また蛇は脱皮をすることから再生または気力の復活を表し、財運の象徴や病気平癒・心身清浄の御神徳もあるといわれております」(原文ママ)と解説する。
神社は連日、混雑緩和のために参拝規制を行っている。権禰宜の須永夏美さんは「年始に比べると落ち着いたが、最近でも平日は2、3時間、休日は5、6時間お待ちいただいている状況。1月中の参拝客数は、例年は約1万人だが、今年は現時点で10万人を超えている」と話す。
反響について、「前回の巳(み)年をはるかに上回る参拝者数で、物価高の厳しい世の中で金運のご利益を求めて皆さまいらっしゃっているのではないか。この12年は、旧蛇窪村の地域一帯を『スネークタウン』と広報してきたので、認知度が上がったことも理由の一つだと思う」と須永さん。
蛇窪共栄会会長で、同神社の近くで営業する「遠藤米穀店」店主の遠藤彰さんは、「『へびくぼ市』など関連イベントを開催したり、商店街の各店舗が『へびくぼみやげ』を作ったりしてきた。地域をあげて活動してきたことで蛇窪の知名度が上がり、テレビなどで取り上げられた影響もあるのでは」と振り返る。同店で販売するへびくぼみやげの日本酒「財運白蛇」(800円)は、連日完売が続いているという。
同神社では、12日に一度の「巳の日」や60日に一度の「己巳の日(つちのとみのひ)」などに合わせ、「白蛇舞」や獅子舞の奉納、イベント「へびくぼ市」の開催、同神社で世話をしているアルビノの国産アオダイショウ「ミー君」「シーちゃん」の出張展示など、各種催しを行っている。今年は、白ヘビの聖地とされる群馬県沼田市の老神温泉と山口県岩国市、同神社を巡る「日本白蛇三大聖地巡礼スタンプラリー」(1月12日~11月31日)を行う。
須永さんは「今年は巳年で、1年を通して毎日白ヘビ様の縁起のいい御縁日。1~2月に限らず、ゆっくり参拝していただけたら」と呼びかける。
参拝の受付時間は9時~17時。