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しながわ水族館で「深海生物展」 大型深海魚「ヨコヅナイワシ」を初展示

「しな水の深海生物展」入り口

「しな水の深海生物展」入り口

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 特別展「しな水の深海生物展~食うか食われるかの生存戦略~」が1月22日、しながわ水族館(品川区勝島2、TEL 03-3762-3433)で始まった。

「ヨコヅナイワシ」展示ブース

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 同展は毎年開催しており、今年は「食べる」をテーマに掲げる。「食うか」「食われるか」の世界における深海生物の生体を展示し、食用の深海生物にもスポットを当てる。

 開催の経緯について、魚類飼育担当の杉本巧樹さんは「深海生物には、私たち人間が食べるキンメダイやノドグロなども含まれていて、意外に身近な関わりがある。今回は興味を持ってもらいやすいテーマとして、水深200メートル以下の過酷な環境で生きる深海生物の生存戦略を選んだ」と話す。

 メイン会場は同館地下1階の「クマノミルーム」で、「採餌(さいじ)エリア」、「生存戦略エリア」、「食事エリア」の3エリアに分ける。「採餌エリア」では深海生物が普段何を食べているのかを、「生存戦略エリア」では深海魚が発光する理由などを、それぞれ解説する。「食事エリア」では食用の深海魚やその調理例を展示する。

 特別展に合わせ、大型深海魚「ヨコヅナイワシ」の標本を初展示する。ヨコヅナイワシは水深2000メートルよりも深い場所に生息する深海魚で、今回展示する標本は全長約135センチ、重さ約35キロ。同館の標本を含め、世界で7例しか見つかっていないという。

 地下1階の「ウォッチング水槽」では、敵から身を守ったり獲物を待ち伏せしたりするために砂に隠れる習性のある深海生物をさまざまな角度から観察できるようにした。杉本さんは「砂への潜り方も生き物によって違い、面白い。リアルな姿を見せることで、生き物たちの躍動感や特徴を伝えたい」と話す。

 「いきものトーク 深海生物ver.」では、飼育スタッフが地下1階の「クマノミルーム」で毎日、「ヨコヅナイワシ」や深海生物について解説する。解説時間は10分程度(平日=13時~、土曜・日曜・祝日=16時~)。

 2月8日・9日には、水族館別棟の見晴らしルームで参加者が深海魚を観察してスケッチするワークショップ(事前申込制・先着順)を開く。

 2月15日・16日には、ウォッチング水槽前で魚好きのお笑い芸人・魚芸人ハットリさんと飼育スタッフによる無料トークショーを行う。しながわ区民公園水族館口には深海生物を使った料理を提供するキッチンカーが出店する。メニューは、「深海エビのみそ汁」(300円)、「深海魚のから揚げ」(500円)など。12時提供開始(数量限定)。

 杉本さんは「深海はまだまだ謎に包まれているが、生存戦略や食をテーマにした展示を通じて身近にあることも知ってもらえたら」と来場を呼びかける。

 営業時間は10時~17時。3月2日まで。

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