東日本旅客鉄道が2月4日、来月27日開業の複合施設「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」で展開するサービスやイベントの詳細を発表した。
「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、品川車両基地跡地で開発中の複合開発プロジェクト。区間は南北約1.6キロ、延べ床面積は約84万5000平方メートル。まちづくり構想として、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」を掲げる。
同複合施設は、オフィスやホテルなどが入るツインタワー「THE LINKPILLER(ザ・リンクピラー) 1」、商業施設やクリニック、フィットネスなどが入る「THE LINKPILLER 2」、展示室や畳スペース、屋上庭園などがある複合文化施設「MoN(モン) Takanawa: The Museum of Narratives」、住宅とインターナショナルスクールが入る「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」の5棟で構成する。
3月27日は12時に「THE LINKPILLAR 1」がオープンし、高輪ゲートウェイ駅が全面開業する。2026年春には現在建設中のビルを含めたすべての建物が完成・営業する予定。
同エリアは「Global Gateway」をコンセプトに掲げ、まち全体を「100年先の豊かなくらしのための実験場」と位置付ける。環境エネルギーやロボット、ヘルスケアに関する実証実験を行うなど、新たなビジネスや文化が生まれるまちづくりの取り組みの一環として、来月の開業から数カ月にわたり、「TAKANAWA GATEWA CITYが創造していく未来」をテーマにした約40の無料サービスやイベントを展開する。
高輪ゲートウェイ駅前の広場「Gateway Park」周辺では、一部が水素由来の電気で動く「自動走行モビリティ」5台を運行する。乗車人数は最大3人まで。同広場には、デザイナーのエマニュエル・ムホーさんによる空間芸術「100color」シリーズの53作目「100 色の道」を展示。100 色の無数の線で作られたインスタレーションの1本1本に、2025 年から 2125年までの年号をそれぞれ記し、100年間の時間の移り変わりを表現する。
「THE LINK PILLAR 1」地下2階の「TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター」では、2026年春のグランドオープンから100年先の未来までの映像を流す。同シアターのオリジナル楽曲の制作は、ロックバンド「羊文学」が担当した。
「THE LINK PILLAR 1」前の通り「高輪リンクライン」と「Gateway Park」大階段付近では、AR体験プログラム「TAKANAWA LINK SCAPE」を開催する。同プログラムでは、明治時代に海上線路を敷設するために築かれた「高輪築堤」と鉄道を再現。AR映像と林修さんの音声ナビゲーションで、鉄道開通当時の生活の変化などを伝える。
このほか、ナイトミュージアムバーとクラブ「ZERO-SITE Takanawa Gateway」の期間限定営業や、竹竿に提灯を吊るす竿燈(かんとう)演技の出張披露イベント、キッチンカーやポップアップストアの出店、マルシェの開催やステージパフォーマンスなどを行う。
同社マーケティング本部の天内義也さんは「かつて高輪の地が江戸への玄関口であったように、新しい街が日本各地への、世界へのグローバル・ゲートウェイとして、国内外のあらゆる人、自然、文化、テクノロジーをつなぎ、より良い未来をつくっていきたい。地域との調和も重視し、そのためのさまざまなプロジェクトを用意している。地元の方々と共同活動を行う中で関係を深め、コミュニティーの活性化に貢献できたら」と話す。