2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送開始に向けて、品川プリンスホテル(港区高輪4)で10月26日、「龍馬伝サミット」が開催された。
同サミットでは、坂本龍馬とゆかりの深い9つの自治体(高知市、安芸市、品川区、下関市、京都市、長崎市、鹿児島市、霧島市、福山市の1区8市)の市長・区長が駆け付け、自治体の枠を超えた地域の活性化やまちづくりへの思いを語った。
「利家とまつ」なども手がけた同ドラマのチーフプロデューサー、鈴木圭さんは龍馬について、「とにかく各地を移動した人」と紹介。「これだけの自治体にゆかりがある人物は大河でも初。そして、なぜか龍馬が行くところにはおいしいものが多い」と話し、会場の笑いを誘う場面も。
同ドラマは全48話。龍馬の青春時代を描いた13話までを「第一部」とし、全4部構成で放映する。品川時代は「第一部」の4~6話目で登場するとみられる。龍馬を演じる福山雅治さんは現在、殺陣の練習中だという。
シンポジウムは、龍馬の出身地である高知市のプレゼンテーションからスタート。各市区長は、自身の市区がどのくらい龍馬にゆかりがあるかを8分間のプレゼンテーションで伝えた。
江戸時代、品川区立会川地区には土佐高知藩山内家下屋敷があり、龍馬が砲台要員として加わっていたという説が残っている。さらに龍馬は品川滞在中に砲術を教える佐久間象山塾に入塾。象山の下で数学、化学、オランダ語を学び、外国の学問を知る。
当時、ペリーの艦隊が江戸湾に侵入し、黒船から126発の祝砲を打ち上げた際、「ここで龍馬は体で外国を実感することになる」と濱野健品川区長。「このとき、土佐の坂本龍馬から日本の坂本龍馬になった。いわゆるみなさんの言う坂本龍馬は、この品川から生まれた。他市市長のみなさん、袋だたきにしないでほしい」と語り、会場を沸かせた。
同サミットを締めくくるかたちで、共同宣言「龍馬のまちづくり維新八策」を発表。「一、市・区民、事業者、行政が一体となって、大河ドラマ『龍馬伝』の放送を契機に、地域の活性化を図ること」「一、坂本龍馬ら幕末の志士に関連する物的・人的資源を掘り起こし、一層の観光振興を図ること」などが読みあげられ、会場全員の「エイエイオー」の掛け声で幕を閉じた。
「龍馬伝」は1月3日から放映開始。