2020年春に暫定開業予定のJR山手線高輪ゲートウェイ駅の工事状況が11月16日、報道陣に公開された。線路切り替え工事が完了する17日からは、山手線と京浜東北線が建設中の駅舎内を通過する。
新駅舎の構造は、鉄骨および一部鉄筋コンクリート造。地上3階、地下1階建て。総床面積は約2299坪。今回のお披露目は、同日行われた品川駅線路切り替え工事に伴ったもので、JR東日本の担当者は「駅舎工事の工程は9割ほどが完了している」と話す。
高輪ゲートウェイ駅は山手線30番目の駅。場所は品川駅から約0.9キロメートル、田町駅から約1.3キロメートルで、品川車両基地の跡地内を利用する。山手線の新駅開設は、1971(昭和46)年開業の西日暮里駅以来。
JR東日本は2015(平成27)年、「グローバル ゲートウェイ 品川」をコンセプトに、同エリアの再開発プロジェクトをスタート。2017(平成29)年から工事を進めてきた。新駅名は2018(平成30)年に一般公募を行い、「高輪ゲートウェイ」に決定。山手線の駅名で初めてカタカナを使用したこと、応募総数の上位ではない駅名が選ばれたことなどから、大きな話題となった。
駅舎のデザインは、新国立競技場などを手掛ける隈研吾建築都市設計事務所が担当する。駅と街を一体的に感じられるよう、開放的で明るい空間を演出する。特徴は、日本の折り紙をモチーフとした約110メートルにわたる大屋根や、障子をイメージしたガラス壁面。鉄骨と木を組み合わせた屋根フレームには、日射反射率が高い膜素材を張る。駅の創エネルギーとして、太陽光パネルと小型風力発電機の設置も。
1階のホームは、線路別島方式で山手線と京浜東北線の2面4線が乗り入れる。1~2番線=山手線、3~4番線=京浜東北線。吹きぬけは屋根まで高さ約30メートル。2階には、南北2カ所に改札口を置き、改札内にはイベントの開催などを想定した約91坪のスペースを用意。2~3階には店舗スペース約151坪を確保する。
「世界的に注目されるような、美しい駅を目指して建設を進めてきた」と話すのは、JR東日本東京工事事務所品川プロジェクトセンター課長の牧野俊司さん。事業創造本部品川まちづくり部門事業計画グループ副課長の天内義也さんは、「まずは地域住民が誇れるような駅になれば」と意気込む。
同社は駅開業後、駅前の品川開発プロジェクト用地をイベントスペースとして活用する。敷地面積は約9075坪。2020年春の開業から9月初旬まで。東京都および東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が公表した「東京2020ライブサイト等基本計画」では、高輪ゲートウェイ駅前用地の一部が「東京2020ライブサイト」の会場になることが決定している。
同駅の本開業と街びらきは、2024年の予定。