飲食店の配達サービス「旗デリ」が1月18日、東急池上線旗の台駅周辺で始まった。主催は近隣の飲食店で結成されたグループ「旗飲(はたのみ)」。
同グループは、総菜店「さかえや」(品川区旗の台5)2代目の荻野大輔さんが中心となり結成した。バンド活動をしていた荻野さんは2016(平成28)年、店を継ぐことを念頭に同店で夜の居酒屋営業を開始。翌5時までの営業だったため、近隣飲食店のスタッフが店を閉めてから集まる場になったという。
翌年からは、「旗飲」と名付けた飲食店同士の飲み会を毎月開いていた。「知り合いが知り合いを呼び、参加人数が20~30人になることもあった」と荻野さん。2018(平成30)年には東京急行電鉄(渋谷区)によるイベント「池上線全線祭り」に合わせて、旗飲メンバーがそれぞれの店で特別メニューを提供する企画を実施。この活動を皮切りに、旗の台エリアを盛り上げる年1回のイベントを続けてきた。
今回の企画「旗デリ」は、緊急事態宣言による飲食店の営業時間変更に対応するもの。日替わりでデリバリーサービスを行う店を決め、他の参加店舗のスタッフが配達員を担当する。「仕事帰りに飲食店が閉まっていて夕食を取れない人のために考えた。飲食店の仕入れ先は補償の対象外のため、何とか力になりたいという気持ちもある」と荻野さん。
参加店は、1月18日、23日=フランス料理店「Maille(マイユ)」、19日=「Pizza Dining SALA」、20日=「呑み屋ぶち」、21日=「旗の台酒場むてっぽう」、22日=「curry but curry」、24日=「焼肉ホルモンかねや」(以上、旗の台2)。
配達時間は20時~22時を予定。メニューや受付方法は各店のインスタグラムで告知する。配達エリアは旗の台1丁目から6丁目までをベースに応相談。
取り組みに共感した大衆割烹(かっぽう)「麻布しき 旗の台店」がゲスト参加する。同店のみ自社配送も行うため、定休日の水曜以外はデリバリー注文できる。受付は11時30分~21時30分。配達エリアは、店から半径2キロメートル圏内をベースに応相談。
「急きょ決まった企画。細かな変更は、各店や『旗飲』のインスタグラムを確認してほしい。反応を見て期間延長も検討したい」と荻野さん。「配達スタッフとして名乗りを上げてくれる常連客も。緊急事態宣言中も街は動いているということが、地元の皆さんに伝われば」と話す。参加店「かねや」の店長である大作奈央さんは「遅くまで働く方や医療従事者の方など、頑張っている皆さんの力になれたら。おいしい料理を届けたい」と意気込む。