「馬肉の馬力屋(ばりきや)」(品川区南品川1、TEL 03-6789-2013)が新馬場駅近く、旧東海道沿いにオープンして3カ月がたった。
場所は「ヒロセ花店」隣。店名は、「栄養価の高い馬を食べてお客さんに精をつけてほしい」思いを込めて名付けたという。売り場面積は約7坪。
代表の林健二さんは、新馬場エリアでの開店経緯について「旧東海道沿いに出店したのは、新『馬』場という駅名が表すように、かつて馬での移動が盛んに行われた馬に縁のある場所だから」と話す。
全国から馬を一頭買いして、さまざまな部位を提供する。販売商品は、「青森直送 上赤身」(100グラム=1,404円)、「内蒙古(うちもんごる)産 桜ユッケ」(60グラム=475円)、「熊本直送 上赤身」(100グラム=1,836円)、「神奈川産 ロース馬刺し」(150グラム=2,430円)、「北海道産 赤身」(100グラム=1,620円)、「会津産 チルド モモ」(100グラム=1,836円)など。
「内蒙古草原馬(うちもんごるそうげんば)はモンゴルのオーガニックな環境下で、日本人オーナーに生育された馬肉。産地によって肉質や柔らかさなどが違うので好みを見つけてほしい。馬肉初心者は桜ユッケがお薦め」と林さん。
そのほか、「メンチカツ」、「桜コロッケ」(以上3個=972円)、「馬タン薫製」(1,296円) 、「フタエゴくんせい」(756円)なども。
愛犬用の商品もそろえる。「馬アキレス」(50グラム=1,296円)、「愛犬用 馬肉切り落とし」(1キロ=3,780円)、「ハツ(心臓)切り落とし」(500グラム=2,376円)、「桜ひき肉パラパラミンチ」(1,620円)など。想定客単価は約3,000円。
小売販売のほか、店内で「馬肉を食べ尽くす会」を実施する。8人からの事前予約制。メニューは「馬タン・馬刺し薫製盛り」「ふたえご串炙(あぶ)り」「会津もものタルタル」「馬の生ハムサラダ」などで、毎回異なるメニューを提供する。
同店では、明治時代ごろから東京で食べられてきた「桜鍋」のさらなる普及を目指している。桜鍋は、馬肉や野菜を味噌(みそ)と割り下で煮て、すき焼きのように食べる鍋料理。「明治の東京では歓楽街に桜鍋屋が多くあり、頻繁に食べられていた。産業革命などを経て馬が少なくなった現在では、桜鍋を知っている人は少ない。東京のローカルフードとして、東京の人が客人に自信を持って桜鍋を振る舞えるようになったら」(林さん)
「馬肉は日常的な食事に取り入れやすく、生で食べられるのでレシピの汎用性も高い。さまざまな馬肉料理をインスタグラムで紹介しているので。ぜひのぞいてほしい」と林さん。「一度食べたら馬肉の可能性を知ってもらえるはず。ぜひ気軽に立ち寄って」と来店を呼び掛ける。
営業時間は平日10時30分~18時30分、土曜・日曜・祝日は10時~19時。月曜定休。「馬肉を食べ尽くす会」は、18時30分~23時。新型コロナウイルス感染症対策として、入り口に消毒液を設置。定期的に店内の設備を除菌し、常に入り口のドアを開け換気する。スタッフは常時マスクを着用する。