大井町駅近くの「キャッツ・シアター」(品川区広町2)が6月20日に閉館し、品川区から劇団四季専用劇場が姿を消した。
「キャッツ・シアター」外観(写真提供=劇団四季、撮影=下坂敦俊)
キャッツ・シアターは、2018(平成30)年8月にオープン。ノーベル賞作家T.S.エリオットの詩集「Old Possum's Book of Practical Cats」を基に、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーらによって作られたミュージカル作品「キャッツ」の専用劇場として建設された。
舞台と客席には、猫の視点から見た世界を表現。実物の3倍サイズのごみのオブジェを約3000点設置し、中には品川観光大使「シナモン」のぬいぐるみや「しながわ水族館」のチケット、大井町行きのSuicaなど、「ご当地ごみ」も仕込まれていた。
2019年3月には同劇場で、日本公演通算1万回を達成。最終公演は1万620回目の上演となった。
りんかい線大井町駅では発着ベルとして、キャッツの音楽「メモリー」「スキンブルシャンクスー鉄道猫」を使っていたが、21日10時30分をもって終了。りんかい線オリジナルの発車ベルに変更した。
JR大井町構内では現在、劇団四季への感謝を込めたメッセージボードが掲出されている。制作に携わった駅員は「学校行事で劇団四季を見に行った当日に東日本大震災が発生し、スタッフの皆さんに親切に助けてもらった。メッセージボードによって、劇場やスタッフの皆さんへの感謝を伝えられ、とてもうれしい」と思いを寄せる。掲出は26日ごろまでの予定。
隣接した四季劇場「夏」は6月12日に閉館。劇場跡地は東京オリンピック開催後、JR東日本によって「大井町周辺広町地区開発」計画が進められる。キャッツの次回公演は7月、福岡キャナルシティ劇場で開幕予定。