クラフトビールと日本酒の店「ウサギヤ」(品川区旗の台3)が旗の台駅近くで本格営業を開始して2カ月がたった。
店主の鵜藤高広さんは、クラフトビール店や焼きとん店などで約10年の飲食業経験を持つ。前職の「タヰヨウ酒場」(小山5)から独立開店に踏み切った。
当初は昨年5月ごろに店を構える予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で物件が決まらず、実際にオープンできたのは今年3月。オープン後も都内の飲食店はアルコール提供の自粛要請の影響を受け、鵜藤さんは「仕入れた直後にアルコールの提供ができなくなった時は、たる入りのクラフトビールを自分で飲み続けたこともあった」と振り返る。今夏は「純喫茶ウサギヤ」の屋号で喫茶店業態での営業を続け、10月に入り、当初想定していた居酒屋業態での営業を始めたという。
場所は洋菓子店「CIEL(シエル)」隣。店舗面積は6坪。席数は8席。クラフトビールの注ぎ口・タップは8つ。店内には、深めの奥行きを生かして鵜藤さんが一人で切り盛りできるように、コの字形のカウンターを設ける。
ビールは、神奈川「ヨロッコビール」(800円)や埼玉「麦雑穀工房」(750円)、北海道「鬼伝説ビール」(850円)などのクラフトビール8種類(各360ミリリットル)と、「サッポロビール 黒ラベル」(300ミリリットル=400円)を用意する。
日本酒は、鵜藤さんが「日本酒を好きになったきっかけ」という島根「十旭日」ほか、新潟「雪男」、埼玉「神亀」(900円)などの熱かん(180ミリリットル)を約15種類と秋田「一白水成」(680円)などの冷酒(130ミリリットル)を約4種類そろえる。「酒造の梅酒」(550円)のほか、喫茶営業時のメニューをアレンジして焼酎を使う「大人のクリームソーダ(あかね色・メロン・空色)」(500円)もある。ノンアルコールメニューは、「子どものクリームソーダ」(同)、オレンジジュース(300円)なども提供する。
つまみは、「いもコロ煮」(180円)、「いぶりがっこクリームチーズ」(300円)、卵黄を使う「ニラ月見」(330円)、「茹(ゆ)でタン」、ハチミツをかける「黒豆マスカルポーネ」(以上430円)、野菜のぬか漬け、ミックスナッツ(以上200円)などを提供する。「ナポリタン」(580円)や「喫茶プリン」(450円)は喫茶営業時のメニューだったが、来店客の要望もあって継続して提供する。
「年明けの感染状況がどうなるか不安はある。落ち着いてみんなで乾杯できる日を待っている」と鵜藤さん。「小さな店なので、3人以上での来店は事前に電話をもらえると案内しやすい。とはいえ、軽く飲みたい時に気軽に立ち寄れる場所になれたら」と笑顔を見せる。
営業時間は16時~23時。新型コロナウイルス感染症の対策として、スタッフはマスクを着用し、入り口に消毒液を設置する。