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品川区内でリニア沿線住民説明会 オープンハウス方式で工事状況説明

ボタンを押すと回転するシールドマシンの模型

ボタンを押すと回転するシールドマシンの模型

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 荏原第四地域センター(中延5)で12月9日・10日、リニア中央新幹線の沿線住民を対象とした第一首都圏トンネル新設(北品川工区)の工事状況説明会が行われた。主催は東海旅客鉄道(以下JR東海、愛知県名古屋市)。

新幹線の通り道を品川区の地図上に記したパネル

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 リニア中央新幹線は、東海道新幹線の経年劣化や大規模災害に対する備えとして品川、名古屋、大阪を結ぶ路線。超電導リニアの技術を使い、車両を10センチほど浮かせて最高時速500キロで走る。

 現在は、工事実施計画の認可を受けた品川から名古屋間の工事を進めている。新幹線の経路のうち首都圏や中部圏などの一部区間は、地下に円筒形のトンネルを掘って線路を敷く。品川駅から神奈川県駅(仮称)間の約37キロを第一首都圏トンネルとし、品川駅側から順に、北品川工区、梶ヶ谷工区、東百合丘工区、小野路工区の4区域に分けて工事する。

 品川駅側から約33キロは、通常利用されない深さである大深度地下にトンネルを掘る。トンネルは、地面に垂直に掘り下げた坑道の立坑(たてこう)を等間隔に構築し、立坑の中で組み立てたシールドマシンで隣の立坑まで掘り進めていく。立坑は新幹線の営業開始後、異常時の非常口やトンネル内の保守作業などに使うという。

 シールドマシンの発信地点である立坑の北品川非常口(北品川4)は2019年12月に完成した。以後、西に約8.2キロ先の等々力非常口までシールドマシンで掘進する計画を進めている。北品川非常口では2021年10月、周辺地域への影響や安全対策を確認するための調査掘進を始め、当初の計画では2022年3月末ごろまでに300メートルの掘進を予定していたが、50メートルにとどまっていた。その後、安全確認に関する住民説明会を求める声が上がったため、JR東海は沿線住民に向けた説明会を開くことにしたという。

 荏原第四地域センターでの住民説明会は、設置したパネルや映像、模型を自由に見て回るオープンハウス方式で開催。北品川工区を担当するJR東海の社員が来場者にマンツーマンで対応し、質問などを受け付けた。当日は約60人の地域住民が来場し、1組につき40分~60分ほどかけて説明を行った。

 説明パネルは「リニア中央新幹線とは」「東京都区部の工事概要」「リニア中央新幹線の通り道」「北品川工区の工事状況」「工事中の取り組み」の5つ。リニア中央新幹線やシールドマシンなどの模型、トンネルを掘る地層に広がる固結シルトの現物などを展示した。

 同様の説明会は、1月20日・21日に荏原第五地域センター(二葉1)、1月27・28日に品川第一地域センター(北品川3)でも行う。開催時間は10時~16時。今後は、大田区や世田谷区でも開催予定だという。

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