東京庭園美術館(港区白金台5、TEL 03-3443-0201)は10月25日から、開館25周年記念展「1930年代・東京 アール・デコの館(朝香宮邸)が生まれた時代」を開催する。
同館は、10月1日で開館25周年を迎えた都立美術館。朝香宮鳩彦王が1947年まで暮らした邸宅を東京都が買い取り、1983年に都立美術館として開館した。
同展は、日本人によるアール・デコの展覧会。アール・デコ様式の同館が建設された1930年代の建設やファッションなどを取り上げ、さまざまな形で街中に浸透したアール・デコの絵画、ポスター、工芸品などを展示している。アール・デコは、1920年代から30年代にかけてヨーロッパを中心に世界中で流行した装飾様式。直線と曲線を組み合わせた幾何学的なデザインや、抽象的な模様がその特徴と言われている。
展示会は2章で構成。1章では当時の東京での作例を絵画や彫刻、工芸、写真、ポスターなどを展示する。2章では、同館建設の過程を図面や写真で紹介。また。官邸時代に来客をもてなしたとされるソファとテーブルは同展準備中に偶然発見されたもので、本邦初公開となる。展示物を写真や説明文で紹介したカタログも販売する。
同館担当者は「これまで特にアール・デコの展覧会に力を入れてきたので、記念展はその様式で建設された同館を最大限に生かそうと企画した。展示物は内装デザインと驚くほどの共通性を持っているので、アール・デコが遠いフランスの文化ではなく、日本の文化に浸透していたことを感じてもらえれば」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。8会期中の休館日は第2・第3水曜と12月28日~2009年1月3日。入館料は、一般=1000円、大学生(専修・各種専門学校生)=800円、小・中・高校生と65歳以上=500円。2009年1月12日まで。