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大井町の洋食店「ブルドック」がXで思い出の写真募集 火災被害で焼失

火災被害前の「ブルドック」外観(写真提供=ブルドック)

火災被害前の「ブルドック」外観(写真提供=ブルドック)

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 9月に火災被害を受けた大井町・平和小路の洋食店「ブルドック」(品川区東大井5、TEL 03-3471-6709)が10月1日、X(旧ツイッター)で店舗や料理の写真の提供を呼びかけ、ユーザーからの投稿が続々と集まっている。

店主の鈴木謙さん。火災被害前の店内にて(写真提供=ブルドック)

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 9月29日夜に東大井で火災が発生。同店の建物1・2階が店舗、3階が倉庫で、2階と3階は燃えたが1階は無事だったという。警察や消防の現場検証により、火元は同店ではないと判明した。店主の鈴木謙(ゆずる)さんは「死者や負傷者は出ておらず、当日は風がなかったので周りに燃え広がることもなく、その点は本当によかった」と話す。

 同店は1949(昭和24)年に平和小路で創業。「店はそれ以前から別の場所でも営業していたが、正確な年はよく覚えていない」と謙さん。建物の老朽化による改修工事のため、今年7月末からは休業期間に入り、再開時期は未定だったという。

 ブルドックの公式Xは火災翌日、メディアからの取材対応のため、「当店の内観外観、料理の写真、動画を集めております。TV、書籍、youtube、その他SNSで使っても良いよというものを当アカウントへDMもしくはハッシュタグ #思い出せブルドック で画像付きでツイートしていただけると幸いです(原文ママ)」と呼びかけた。女将の智子さんは「写真も燃えてしまって手元にあまり残っていなかったので、お客さんから写真を借りられたらと思い、息子に投稿してもらった」と話す。

 この呼びかけに対し、同店に思い出のあるXユーザーたちから、料理や店舗の写真とともに、「復活を祈っている」「再開後、必ず食べにいく」「マスターが手品を見せてくれた」「祖父の代から通っている」などのメッセージが多数集まった。「中でもうれしかったのは、先代の女将がちらっと映っている何気ない写真が投稿されていたこと。その仕草がとても本人らしいもので、見られてありがたかった」と智子さん。

 同店はメンチカツやグラタン、スパゲティ、ハンバーグなど、「オーソドックスな洋食」を提供する。オムライスには、謙さんが客に合わせた図柄やその時の天候などをケチャップで描く。メニューは大盛りが特徴で、「昔バンドをやっていた頃はお金があまりなくて、安くてたくさん食べられる飲食店に世話になっていた。うちは若いお客さんも多いので、とにかく大盛りにしようと思った」と謙さん。

 智子さんは「近隣の方や警察、消防の関係者など、たくさんの人から励ましをもらい、感謝の気持ちでいっぱい。火災の直後は廃業も頭をよぎったが、またどうにか再開できれば」と話す。

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