品川区にある全ての区立保育園で10月1日、紙おむつのサブスクリプションサービス(以下、サブスク)本格導入が始まった。
おむつサブスクは、定額の利用料金を支払って、園に納品される紙おむつを枚数制限なく使えるサービス。導入により、乳幼児を預ける保護者の紙おむつ持参や1枚1枚に氏名を書く手間を軽減できる。
区立保育園のうち、ゆたか保育園(品川区豊町1)や中延保育園(西中延1)、荏原西第二保育園(荏原4)などの7園では、今年4月から試験的に同サービスを導入。残る区立保育園33園でも、今月から本格採用することになった。
「BABY JOB」(大阪府)の「手ぶら登園」サービス(月額2,508円)を採択した同サブスクサービスは、登園中に必要な紙おむつとおしりふきを枚数制限なく利用できる。利用を希望する保護者は、保育園が配布する案内リーフレットから登録を行う。
サービス導入の経緯について、区の子ども未来部保育課保育課長は「試験導入で、保護者と保育園の双方に負担が少ないことが分かったため。紙おむつのサブスクは2年ほど前から入園前や在園中の保護者からの問い合わせが増えていた」と話す。
荏原西第二保育園では、9月末時点で0歳児と1歳児クラスで3分の2以上、2歳児クラスは約半数弱の利用者がいたという。同園の園長は「保護者からは、登園後に紙おむつがないことに気付くといったハラハラ感がなくなり、ストレスが減ったという声が上がっている。中には一度解約したが、再登録した保護者もいる」と話す。「2歳児クラスは紙おむつを外し始めるため、利用者数は減っていく」とも。
子ども未来部保育課保育課長は「このサブスクを利用する保護者は紙おむつの準備から開放され、子どもと向き合う時間や精神的な余裕が持ててきたようだ。保育園側も管理のわずらわしさがほとんどないと聞く」と話す。「森澤恭子区長は現役の子育て世代。区では今後も、園児に向けたほかのサブスクサービスの導入など子育て支援事業を進めていく」とも。