提供:食堂とだか|文・写真:宮脇 淳(ノオト)|編集:森 夏紀(ノオト)
※当求人の応募期間を延長します!(2/24 21:00追記)
書類応募は2021年2月24日(水)13:00に一度締め切りましたが、「書類選考の募集期間が短すぎて準備できなかかった」「面接の日時はすでに予定が入ってしまっている」といった声をいただきました。店主の戸高さんに相談したところ、「たしかに、募集期間が8日間は短すぎました。虎ノ門横丁のイベントに間に合わせたくて、少し焦ったかも……。すみません!」との回答がありました。
そこで、今回の求人は応募期間を延長することにしました。コース料理を楽しみながら行う面接は、店主の戸高さんが書類選考を通過した応募者に連絡を取り、予定を調整しながら日時を決定させていただきます。
書類応募期限:2021年3月31日(水)16:00
コース料理付き面接日時:店主からの折り返しメール、またはお電話で日時をご相談
※一般のお客さんが食事される同じカウンターで席をご用意します。
※お客様の一人として食事を楽しみながら、お互いを知るきっかけにさせてください。
五反田駅近くの飲食街、通称・五反田ヒルズの居酒屋「食堂とだか」(品川区西五反田1)が、新スタッフの募集を開始した。書類選考後の面接では同店カウンターに応募者を招き、有料のコース料理を提供しながら実施する。
店主は戸高雄平さん。2月15日現在、同ビル内の2号店「立呑み とだか」を含め、2店舗の接客・調理・仕込みを総勢10人のスタッフで切り盛りしている。両店とも店舗面積は5坪で、「食堂とだか」はカウンターのみ9席。「立呑み とだか」は2018年のリニューアルで着席形式となり、カウンター8席、テーブル4席。
和食系居酒屋「食堂とだか」が五反田ヒルズに開店したのは2015年9月。オープン当初は、同ビルに入居するスナックのママや地元の常連がふらっと立ち寄る店だったが、「ウニ・オン・ザ・煮玉子」「牛ご飯」といった名物料理や店主の明るいキャラクターでリピーターが急増。テレビドラマ「孤独のグルメ シーズン6」最終回への登場で知名度が一気に全国区まで広まり、遠方からの来客が増え、一時は予約が最長2年待ちの状態にまでなった。
オープン当時、現在より体重が24キロ軽かった頃の店主・戸高さん
とだか名物「ウニ・オン・ザ・煮玉子 いくらぶっかけver.」
「牛ご飯」は開店当時からの看板〆メニュー
素材や調理はもちろん、盛り付けや器にもこだわりが
2020年春から新型コロナウイルス感染症が国内で猛威をふるい、日本政府は昨年4月に緊急事態宣言を発令した。現在は第3波のピークが過ぎつつあるものの、コロナ禍の影響を受けた飲食業界は苦しい時期が続いている。
しかしこの逆風の中にもかかわらず、食堂とだかは堅実に業績を伸ばしている。開店5年で地道につかんだ熱心なファンが1年以上先の予約を入れているのに加え、ステイホーム需要を見込んで準備した特製のテイクアウトメニューが好評を博しているからだ。ピーク時は連日、「とだか弁当」(5,000円)を毎日80食、さらにサイドメニューなどの売れ行きが好調を維持し、飲食店向けの給付金を受けることなくコロナ禍を乗り越えようとしている。
「店を完全に閉じてしまうと、働いてくれているスタッフはもちろん、仕入先などいろんな人が経済的に困ってしまいますから。それに、長い間休業してしまうと、たとえ店を再開しても常連さんが戻って来ないんじゃないかという不安を持つ店主は少なくないんですよ」と戸高さん。
五反田でも少しずつ飲食店の閉店が目立ってきている。が、同時に、空き物件にはすかさず新店が入るケースも見られるようになってきた。戸高さんは「新型コロナウイルス感染症に気をつけながら、期間限定店やイベントに参加することで、飲食店の灯を消さないようできるだけ努力したい」と意欲的だ。いまはアフターコロナに備えて、3号店の展開も構想しているという。
常に旬のおいしい食材を仕入れる戸高さん
戸高さん:コロナ禍でもなんとか店を切り盛りしているのですが、いま一番深刻なのが人手不足なんです。とあるサイトに求人広告を3カ月出してみたのに、応募者が1人しか来なくて……。某求人広告メディアには月15万円も支払ったものの、こちらは応募が1件もありませんでした。何かいい手はないですかね?
―― そもそも、どういう方を採用したいのですか?
戸高さん:それはもう、飲食が好きで、やる気があって、将来の目標が独立でもいいから一生懸命働いてくれる人ですね。あと、うちの料理が好きで、ここで一人前の料理人になりたいと言ってくれるとうれしいかな。いまのスタッフのほとんどは、お客さんの紹介か、うちの店に食べに来てくれた人なんですよ。
―― では、「食堂とだか」のカウンター席を面接会場にして、コース料理を食べてもらいながら面接するのはどうですか? 無料ではなく食事代を支払ってもらうことで、応募者は戸高さんの料理や接客と真剣に向き合ってもらえますし、戸高さんは応募者とのコミュニケーションで合う・合わないをジャッジできそうですし。
戸高さん:そのアイデア、いただきます!
いいお肉を目の前に、いい笑顔を見せる店主の戸高さん
わずか5坪の小さな店が2軒。お客さんとの距離が近い飲食店での働きがいはどうなのだろうか。「食堂とだか」と「立呑み とだか」に勤務するスタッフに話を聞いてみた。
「食堂とだか」スタッフのショーヘイさん(左)と「立呑み とだか」店長のコーヘイさん。店主のユーヘイさんと合わせて、「とだか三平」と呼ばれている
―― お二人とも、とだかさんに勤務して数年たちますよね。居心地や待遇はいかがですか?
コーヘイさん:入社して5年になります。いまでは2号店の現場を任せてもらっているので、やりがいを感じています。お店の売上をしっかり立てると、その分きちんと給料を上げてもらっているので、そこはしっかり面倒を見ていただいているというか、ありがたいですね。
ショーヘイさん:僕は4年くらいで、食堂とだかで戸高さんと常に一緒にいます。カウンターだけの狭い店なので、調理を手際よく進めつつ、お客さんとうまくコミュニケーションするのはまだまだですね。一番身近で、マスターのトーク力を勉強させてもらっています。
―― 本稿を読んで、応募を検討している方たちにメッセージをお願いします。
コウヘイ:立ち仕事なので、正直なところ肉体的には楽な仕事ではありません。ただ、急なキャンセルが出ても、Facebookページで空き席数を呼びかけるとわずか数分で埋まるので、本当にすごい店だと思っています。お客さんを満足させることに喜びを感じる仲間と一緒に仕事したいですね。
ショーヘイ:お店の定休日に自分の裁量で「ショーヘイ食堂」という特別会を開店させてもらって、とてもいい経験になっています。親方は気さくに何でも相談に乗ってくれるので、新たな仲間が増えたら一緒にチャレンジしましょう!
食堂とだかは、他の飲食店や酒蔵などからコラボの声がかかることも少なくない