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東五反田で容器包装のデザイン展「なんか、ちがう。」 情緒的な役割を問う

「なんか、ちがう。キモチをつなぐパッケージデザイン展」入り口

「なんか、ちがう。キモチをつなぐパッケージデザイン展」入り口

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 第21回容器の小さな企画展「なんか、ちがう。キモチをつなぐパッケージデザイン展」が1月20日、容器文化ミュージアム(品川区東五反田2、TEL  03-4531-4446)で始まった。運営は、東洋製罐グループホールディングス(同)。

「真っ赤に塗られたパッケージ」作品

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 容器文化ミュージアムは2012(平成24)年、容器包装に隠れたさまざまな秘密を「ひらく」ことを目的に開館した。文明の誕生と容器の関わりから最新の包装に至るまで、それらの歴史や技術、工夫などを展示している。

 今回の企画展は、2019年に開催した「なんか、ちがう。パッケージデザインのやくわり展」の第2弾。第1弾は、パッケージデザインの機能的な役割に着目した内容だったが、第2弾では「なんか、ちがう。」をキーワードに、「人の心を動かす」情緒的な役割を伝える内容とした。第1弾の企画展の来場者数は、SNSで情報が拡散されたことをきっかけに3000人に上ったという。

 開催のきっかけについて、同社デザインセンターグループリーダーの大谷啓浩さんは「当社グループが扱う、人々にとって身近なパッケージに、改めて気付きや興味・関心を持っていただきたい。展示品を見るだけでなく、触って感じてもらうコンセプトなので、コロナ禍が収束したこのタイミングで第2弾を企画した」と話す。「今回の展示は、デザイナー志望の学生や、子連れのファミリー層に人気」とも。

 展示物は全て企画展に合わせて作成したオリジナル品。キムチをテーマに赤く塗ったボトル容器など「真っ赤に塗られたパッケージ」が12点並ぶほか、卵パックにたこ焼きを詰めるなど「“なんかちがった”中身が入っているパッケージ」が6点展示される。

 会場の一角には、同社がコンセプトを手がけた飲料缶「遊びごころで見分けるお絵描き缶」にデザインされているモンスターをかたどった用紙に、来場者がオリジナルの絵を描いて壁に貼っていく「お絵かきコーナー」を設置する。

 来場者には入り口で、オリジナル缶バッジを進呈する。同時に、気持ちを表すシール(赤いシール=「なんかいい」、グレーのシール=「なんかモヤモヤする」)を配布し、展示品を見て感じた気持ちを展示台に直接貼る仕掛けを作った。

 「展示品はどれも『なんか、ちがう。』と思わせるものばかりなので、見る人の知識や経験によって感じ方が変わると思う。違和感のある展示品から、誰かに伝えたくなるような自分の気持ちや、他の来場者との違いを楽しんでもらえたら」と大谷さん。「展示会を通じて、来場者の皆さんから気持ちや感覚を共有いただいている。これらを『楽しい違和感』を持ったデザインに結び付け、今後の仕事に生かしていきたい」とも。

 開館時間は9時~19時。土曜、日曜、祝日休館。入場無料。3月7日まで。

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