JR東日本は12月4日、JR山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」に決まったと発表した。暫定開業予定は2020年春。
新駅の位置は、JR山手線・京浜東北線の品川-田町駅間。品川駅から約0.9キロメートル、田町駅から約1.3キロメートルの品川車両基地の跡地内を利用する。山手線に新駅が開設されるのは、1971(昭和46)年開業の「西日暮里駅」以来。同路線で30番目の駅となる。
新駅開設に当たり、同社初の試みとして駅名の一般公募が行われた。募集期間は今年6月5日~30日で、応募総数は6万4052件、応募駅名は1万3228種類。
応募数トップの名称は「高輪」(8398件)、2位は「芝浦」(4265件)、3位は「芝浜」(3497件)で、「新品川」と「泉岳寺」は同数(2422件)の4位。6位以下は、「新高輪」(1275件)、「港南」(1224件)、「高輪泉岳寺」(1009件)、「JR泉岳寺」(749件)、「品田」(635件)が続いた。「高輪ゲートウェイ」は36件で130位。
JR東日本は「高輪ゲートウェイ」の選定理由として、同エリアが旧東海道としてにぎわいを見せていたこと、明治時代には鉄道が開通したエリアであることなど歴史的背景を挙げた。今後も未来を切り開く交流拠点として、多くの人々をつなぐ駅になるよう願いを込めたという。
品川エリアでは2015年より再開発プロジェクトが進められてきた。プロジェクトのコンセプトには「グローバル ゲートウェイ 品川」を掲げる。広報担当者によると、新駅名にはこのコンセプトを反映しているという。
駅名決定のニュースは各種メディアに取り上げられ、ツイッターのおすすめトレンド1位には「高輪ゲートウェイ」が登場。「ゲートウェイとは何の入り口なのか」という疑問や、「『高輪』でいいのでは」「落語にちなんだ『芝浜』は風情がある」など他候補の落選を惜しむ声が目立ったほか、「こうなったら山手線各駅も『駅名+カタカナ』表記にしてはどうか」と、全駅の新名称を考案する投稿も見られた。
さらにツイッター上には、大崎西口商店街のマスコットキャラクター・大崎一番太郎にそっくりの「高輪ゲートウェイ太郎」も登場。大崎一番太郎役の声優・山口勝平さんによる「うぇ~い」というせりふを組み合わせた脱力系の「ウェイポーズ」が話題を集めている。
JR東日本の広報担当者は、「ゲートウェイ」というカタカナ表記について、「JR武蔵野線『越谷レイクタウン駅』など既に他の駅名にも見られ、特別な表現だとは思っていない」と話す。さまざまな意見が見られることについて「反応は把握している。多くのご意見を頂いているという認識」とも。
今後、ネットや周辺住民からの反応を受けて、オーソドックスな名称に変更する可能性があるかどうかについては、「回答できない」と話した。