イタリアンレストラン「nerisa(ネリザ)」(品川区小山6、TEL 03-6770-6348)が西小山駅近くにオープンして1カ月がたった。
「イタリア料理Y」跡を改装した同店。店内は木材を多く使い、落ち着いた雰囲気を演出する。ワインセラーはあえてカウンター横に設置し、客が飲みたいボトルを自由に取れるよう配慮したという。店舗面積は12坪。席数は、カウンター席8席、テーブル席6席。
店主の田中隆照さんは埼玉県出身。東急東横線学芸大学駅近くのイタリアン「Ri.carica(リ・カーリカ)」でオープン当初から8年間働き、シェフを務めた経歴を持つ。出店の経緯について、田中さんは「40歳までに独立したいという思いがあった。コロナ禍のタイミングではあるが、すぐに収まるものではないと考え、独り立ちを決意した」と話す。
店名はイタリア語の「Nella risaia(水田の中)」に由来する造語。田中さんの名字と、「小さいころに見ていた地元の風景」との意味を込める。
西小山エリアでの出店について、田中さんは「あまりなじみのないエリアだったが、たまたま知り合いが店を閉めたタイミングの物件に出合い、縁を感じた。周囲には面白い店も多く、街の雰囲気が以前勤めていた店の周りに似ていたのも決め手の一つ」と話す。
コンセプトは「食事を楽しむ場所」。素材の良さを大切に、できるだけシンプルな調理を心掛け、野菜は有機農業を行っている「横田農場」(埼玉県)の物を中心に使う。
フードメニューは日替わりで、季節に合った料理を提供する。「マッシュルームと半熟卵、アンチョビのサラダ」(1,400円)や「蒸しだこのソテーとオルツォット」(1,700円)、「牛ヒレ肉のソテー グリンペッパーソース」(3,600円)など。イタリア・ピエモンテ州の郷土料理「手打ちタヤリン いろいろなお肉のラグー」(2,000円)は、乾燥時間と生地の水分量の調整に試行錯誤を重ねたという。
ドリンクメニューは、イタリア産の自然派ワイン(グラス=800円~、ボトル=4,200円~)を約200種類そろえる。「Ezio Cerruti Fol( エツィオ チェッルーティ フォル)」(ボトル=4,200円)や「Podere Le Boncie 5(ポデーレ・レ・ボンチエ チンクエ)」(同=6,500円)、「Walter de Batte Bianco Saladero(ヴァルテル・デ・バッテ ビアンコ・サラデーロ)」(同=1万500円)など。麦雑穀工房(埼玉県)の「クラフトビール」(ボトル=1,400円~)や辰巳蒸留所(岐阜県)の「クラフトジン」(グラス=1,000円)なども。想定客単価は7,000~8,000円。
「料理も酒も自信を持って提供しているので、どちらも一緒に楽しんでほしい。21時以降はバーとして利用してもらっても大丈夫」と田中さん。「外から店内が見通せず、店構えで少し緊張するかもしれないが、気負わずに来てほしい。地元に根付いた愛される店を作っていきたい」と笑顔を見せる。
営業時間は17時~23時。新型コロナウイルス感染症の対策として、入り口に消毒液を設置するほか、スタッフはマスクを着用する。