印刷体験スペース「NOT GUTTER(ノットガター)」(港区芝浦1)が、田町駅近くの第3東運ビル7階にあるボウリング場「東京ポートボウル」内にオープンして2カ月がたった。運営はウェブマガジン「田町新聞」などを手掛ける制作会社スプール(同)。
ボウリング場の喫茶スペースを利用して営業する。店舗面積は6坪。席数は12席。
オープンの経緯について、スプール社長の舟橋亮人さんは「コロナ禍で制作事業の売り上げが下がり、新しいチャレンジをしようと、オフィスの同じビルにあるボウリング場の喫茶スペースに着目した。『田町新聞』の読者ともコミュニケーションが取れる場を提供しようと考えた」と話す。リソグラフ印刷機でZINE(同人誌)などを作るケイト・ビンガマン・バートさんのオンラインイベントに参加した経験から、印刷体験スペースを構想したという。
スペース内には、理想科学工業(芝5)のリソグラフ印刷機とシルクスクリーン製版機「GOCCOPRO(ゴッコプロ) 100」の2台を設置する。リソグラフは孔版方式のデジタル印刷機で、2つの印刷トラムによって1度に2色を印刷できる。インクは18色を用意する。シルクスクリーンは製版機で版を出し、組み立て式印刷キットの「SURIMACCA(スリマッカ)」に版を貼って手作業でインクを刷る。
利用は事前予約制。シルクスクリーンは、スペース利用料が1日ワンドリンク付きで一般=1,100円、学生=550円。製版料は、XS=880円、S=1,210円、M=1,760円、L=2,420円。インクは通常色=660円、金・銀・銅=990円。台紙やポストカード、トートバッグ、サコッシュ、Tシャツなどの素材(220円~)も用意する。
そのほか、シルクスクリーンまたはリソグラフ印刷を体験できる「お手軽ワークショップ」(1000円~)を開催する。ワークショップ以外でリソグラフ印刷機を利用したい場合は要相談。
「印刷物が乾くのを待つ間に、ボウリングも楽しんでもらえたら」と舟橋さん。「リソグラフは、何枚も刷るとインクが混ざったり印刷位置がずれて色が変わったりして、独特の味わいが出る。新しい色の組み合わせも発見できるのが面白いので、とにかく体験してもらいたい」と意気込む。
営業時間は予約状況によって異なる。新型コロナウイルス感染症対策として消毒液を設置するほか、施設入館時に顔認証・検温を行う。