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東京都の公衆浴場料金が値上げで500円に 区内銭湯ではサウナ値上げも

「金春湯」の貼り紙

「金春湯」の貼り紙

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 東京都の公衆浴場入浴料金の統制額変更を受け、都内の銭湯は7月15日より一斉に入浴料金を値上げした。品川区内の22の公衆浴場も施設内の料金表を変更し、公式サイトやSNSで利用客に告知している。

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 値上げでは、大人(12歳以上)が480円から500円に、中人(6歳以上12歳未満)が180円から200円に、小人(6歳未満)が80円から100円に、それぞれ料金を改定した。回数券は6月1日、大人用10枚=4,400円から100円の値上げで、10枚=4,500円で販売している。有効期限は2023年6月30日。

 東京都浴場組合によると、6月の東京都公衆浴場対策協議会で、入浴料金の統制額変更を検討。社会経済情勢や原油価格の高騰といった厳しい経営環境で公衆浴場経営を維持するため、料金改定はやむを得ないとの報告を東京都知事に提出したという。

 同組合は、浴場施設の張り紙や公式サイトで「私ども公衆浴場経営者といたしましては、極めて厳しい経営環境でありますが、公共的役割を強く認識し、利用者の皆様の保健衛生、健康増進、地域の交流の場としての使命を果たすべく努力してまいります」との声明を出している。公衆浴場の入浴料金は数年に一度の頻度で価格が改定されており、前回は2021年8月1日で大人料金が470円から10円アップしたが、中人・小人は据え置きだった。

 品川区内の公衆浴場のうち、「金春湯」(品川区大崎3)では、番台に掲示する料金表やインターネット上の料金表記を変更し、SNSで告知した。

 店主の角屋文隆さんは「利用者に申し訳ない気持ちはあるが、この状況では仕方がないと思う。今まで以上に利用者が満足できるように努力する。本音を言うと、収入がほぼ入浴料のみの銭湯の場合、20円のみの値上げでは燃料代の増加分をカバーできない」と話す。

 金春湯ではこれまで、入浴料以外のサウナ、ドリンク、グッズの料金を調整し、経営努力を続けてきたという。昨今の燃料代の高騰を背景に、今年4月には「今後も金春湯を長く続けるため」として、サウナの利用料金を400円から600円に改定。同じ品川区内では「武蔵小山温泉 清水湯」(小山2)が7月15日、公式Facebookページでサウナ利用料を400円から450円に値上げすると発表した。

 「電気代も上がっているが、ガス代の影響が大きい。特に高騰が気になり始めたのは昨年10月」と角屋さん。同月のガス代は前年同月比15~20%増、12月は50%増、今年2月は70%増になったという。「各浴場ごとに設備も違えば、ガス代の契約形態や使用量も異なるため、あくまで金春湯の場合だが、前年同月比で最大75%ほど高くなった。価格でいうと月々20~40万円程度。電気代も合わせると、30~50万円程度負担が増えている」と話す。

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