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品川区在住ライターが車いすで戸越銀座巡るエッセイ出版、落語会開催へ

落語会の会場「hana~saku」と、著者の八田部弘昌さん

落語会の会場「hana~saku」と、著者の八田部弘昌さん

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 品川区在住ライターの八田部弘昌(こうしょう)さんが4月に「車椅子でお出かけ」(いずみ書房)を出版したことを記念し、カフェ「hana~saku(ハナサク)」(品川区平塚2)で6月10日に「シラリンのハナサク落語会」を開く。

八田部さんがいつも原稿を執筆していたという「hana~saku」の店内

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 八田部さんは2020年、劇症型ケトアシドーシスが原因の心臓発作で倒れ、その後に1型糖尿病による壊疽(えそ)で左脚をほぼ付け根から切断。リハビリを経て、車いす生活での社会復帰を前に、知人が住む品川区内に引っ越してきたという。

 身体障害者となり「一生続けられる仕事は何だろう?」と考えた八田部さんは、記者や印刷関係の仕事をしていた経験を生かし、いずみ書房を立ち上げた。「本を出したい人の思いを手伝いたい」と話す。

 「車椅子でお出かけ」は、八田部さんが実際に戸越銀座に出かけた時のエピソードや、車いすでの外出で感じたことをつづった内容で、「戸越銀座物語」シリーズの第2弾。電子書籍(660円)のほか、紙の書籍(734円)をオンラインショップで販売する。今回の出版に当たって、執筆のみならず、装丁、広報活動、イベントの協賛企業への声かけなどを自ら行った。

 戸越銀座での出来事について、八田部さんは「坂道を上る途中、見知らぬ人が声をかけてきて車いすを押してくれることもあり、心のバリアフリーを感じた」と笑顔を見せる。一方で、「商店街の各所に、共用で使えるお手洗いやフリースペースが設置されるとありがたい」とも。

 今後は、「戸越銀座物語」の名付け親だという区内在住のテレビドラマプロデューサー渋谷康生さんの著作を復刻版として出版予定。八田部さん自身は、車いすで入店しやすいカフェを紹介するガイドブックの制作や、「車いすの利用者にとって住みやすい家」をテーマにした執筆に励んでいる。

 出版記念の落語会では、同書に登場する立川志ら鈴(しらりん)さんが出演する。会場の「hana~saku」は休業中の「ダンポテトカフェ」のスペースを利用して営業するカフェで、八田部さんが本の執筆に利用していたという。

 八田部さんは「立川志ら鈴さんの落語のファンで、毎回落語会に通ってきた。皆さんにも楽しんでもらいたい」と笑顔を見せる。

 落語会の開催時間は、15時~、17時~。定員は各9人。チケットは2,000円(飲み物込み)。要予約、先着順。申し込みはいずみ書房のウェブサイトからメールで受け付ける。

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