新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、品川区が区民に独自給付する「しながわ活力応援給付金」の申請状況が8月18日、公式サイトのチャットボットや公式LINEで確認できるようになった。
同給付金は、新型コロナウイルスの感染拡大により生活に影響を受けた区民に対し、外出自粛要請に伴う負担の軽減と、区全体の活力を取り戻すことを目的に実施する。支給額は一人当たり3万円、中学生以下には一人当たり2万円を加算した5万円。財源は財政調整基金を活用する。
品川区は7月13日、公式サイト上に「しながわ活力応援給付金チャットボット」を公開した。チャットボットとは、チャットとボット(ロボットの略語)を組み合わせた造語で、AIを活用した「自動会話プログラム」を指す。同給付金に関する区民からの問い合わせに24時間体制で自動チャット返答サービスが動く。
さらに8月3日には、公式LINEアカウントの運用がスタート。チャットボット同様、LINEで同給付金の申請状況や申請に関する質問を投げ掛けると、自動的に回答が届く。
今回のシステムを開発した経緯について、品川区地域振興部しながわ活力応援給付金担当課長の宮澤俊太さんは「国の特別定額給付金の申請時に、区のコールセンターに多くの問い合わせがあり、電話がつながりにくい状況が続いた。問い合わせ内容は『自分の提出した申請書は区に届いたか』『給付金はいつ振り込まれるのか』といったもの。区民からの問い合わせにタイムリーに対応できればと考えた」と話す。
チャットボットを開発したのは、五反田バレー会員企業のモビルス(西五反田3)。同社が開発した顧客サポート向けチャットシステム「モビエージェント」を活用している。「誰でも気軽に利用できるようにシンプルなチャットボットを制作した。これによって、区民からの問い合わせに対応する職員の負担が軽減できるはず」と代表の石井智宏さん。
チャットボットやLINEの今後の具体的な活用方法は、区役所の庁内全体の各課で検討する予定。宮澤さんは「給付金について、今もコールセンターへ多数の問い合わせが寄せられている。その中から特に多い質問をチャットボットに反映させていきたい。これからも区民の皆さまに必要な情報を届けられるよう、タイムリーにレスポンスできる体制を整えていく」と意気込む。
しながわ活力応援給付金の申請期限は11月10日(当日消印有効)。