旗の台・旗ヶ岡商店会の飲食店と昭和大学が共同開発したメニューが2月22日、同大学上條記念館(品川区旗の台1)で発表された。
同メニューは2月23日から始まる地元イベント「食と健康を考える」で提供する。主催は同商店会、協力は昭和大学、城南信用金庫(西五反田7)、NTT東日本(新宿区)、旗の台2丁目町会。
同イベントは、城南信用金庫とNTT東日本の若手社員による「地域応援プロジェクト」が発端。両社の紹介により、昭和大学・臨床栄養代謝学部門の千葉正博教授を中心としたスタッフと旗ヶ岡商店会の飲食店が共同でメニューを開発した。
旗ヶ岡商店会会長で写真館「スタジオ フラッグ」の野口宗孝さんは「コロナ禍で商店街の祭りができなくなったが、旗の台には飲食店が多いため、時勢を踏まえ食と健康のテーマに取り組みたいと考えていた。昭和大学と何かできないか、ホームページを隅々まで見て連携先を探したこともあった。千葉先生のページを見つけたときは『ここだ!』と思った」と話す。その後、地域応援プロジェクトのメンバーとのやり取りを経て、昭和大学との連携が実現した。
参加店は、「ラーメン巻石」(旗の台6)、「鉄板焼 お好み焼 むーさん」、「スペイン食堂 石井」、「curry but curry(カリバカリー)」、「焼肉ホルモンかねや」(以上、旗の台2)の5店。「ラーメン巻石」は「呑み屋ぶち」の別業態で、コロナ禍による酒類の提供停止要請に応じながら、昨年3月から秋まで営業していた。現在は居酒屋営業に戻したため、ラーメン業態は今回のイベント期間のみとなる。
メニュー開発は、各店が考案したレシピを基に、大学スタッフが脂質・たんぱく質・炭水化物のバランスを考慮して具材のアレンジなどを提案。昨年秋から2度のディスカッションを経て完成したという。
共同開発メニューは、麺にワカメを練り込んだ「漁村海藻らーめん」(ラーメン巻石)、九条ネギを使った「京都産直九条ねぎ焼」(お好み焼 むーさん)、チアシードやアマニ油を使った「スペイン風 焼きパスタとヘルシーミートソース」(スペイン食堂石井)、ライスにヨモギなどを加えた「ヘルシーラムカレー~ヨモギと紅花ごはん~」(curry but curry)、エゴマ油を使ったキムチチゲ「心も身体もほっこり きむんちチゲ」(ホルモン焼肉かねや)。
「スペイン食堂 石井」店主の石井浩さんは「フィデワというスペイン料理をベースに、細いパスタを使うパエリアを作った。フワフワとした食感が特徴。1人用の皿を使い、オーブンで焼き上げる」と話す。「ラーメン巻石」店主の岩渕英和さんは「薬味ネギや卵などたくさんの具材を載せた中華そばを考案した。大学の先生からは、『塩分がやや高いこと以外は理想の健康食』と言われて驚いた。麺のほかトッピングにも海藻を取り入れ、塩分を下げるアレンジを加えた」と話す。
22日のメニュー発表会では、同プロジェクトや個別メニューの説明ほか、医療従事者への感謝の気持ちを込めて、昭和大学病院のスタッフに100食分の「特別応援チケット」が進呈された。城南信用金庫理事長の川本恭治さんは、「昨年は品川区内の飲食店で購入した100人前の弁当を病院に送った。ただ、一気に渡しても食べづらいといった課題も見えたため、今回はチケットにした」と話す。
2月23日12時~15時は、旗の台2丁目町会会館で無料の健康相談会も行う。昭和大学スタッフが血圧チェックなどを行う。
営業時間は各店で異なる。2月26日まで。