書道の企画展「響(ひびき) 長谷川耕史 書くというプレゼント」が10月15日、大崎駅前のO美術館(品川区大崎1、TEL 03-3495-4040)で始まる。主催は品川区と公益財団法人品川文化振興事業団。
「品川区民芸術祭2022」のプログラムの一つ。O美術館では毎年、品川区にゆかりのあるアーティストの展示を行っている。
書家の長谷川耕史さんは品川区出身・在住で、1933(昭和8)年創設の書道団体「日本書鏡院」(南品川1)の3代目会長。ドラマや映画のタイトルの題字、相撲の化粧まわし、日本酒のラベルなどの揮毫(きごう)を手がけ、皇宮警察学校などで書道の講師も務める。
同展では、長谷川さんの作品約100点を展示する。企画展のタイトルには「見た人に響いてほしい」、サブタイトルには「文字を書く機会が減っている中、手で書いた字が持つパワーを届けたい」という長谷川さんの思いを込めているという。
長谷川さんが小学生時代に書いた習字も展示する。同美術館副館長の井高由美子さんは「子どもの頃はこんな字を書いていたんだと身近に感じてもらいたいと考え公開した」と話す。会場内のモニターでは、同展の開催に合わせて制作された広報番組や、歌が得意だという長谷川さんが歌唱・出演するオリジナル曲「幸せ運んで目黒線」のミュージックビデオなどを流す。
関連イベントとして、11月3日・11日にギャラリートークを開催。3日は長谷川さんの知人で品川区出身の中華料理人の菰田欣也さんを、11日は長谷川さんの門下生で講談師や声優として活動する一龍斎春水さんを、それぞれゲストに招く。日本書鏡院(南品川1)でも5日、小中高生向けの書道ワークショップを開く。いずれも参加無料。参加申し込みはO美術館のウェブサイトで受け付ける。
「書家としてまだまだ伸びていく人だと思っているので、その通過点を見てもらいたい」と井高さん。長谷川さんは「見飽きない書の秘密は余白。余白の表現こそ最も難しいが最も奥が深いというところを感じてもらえたら。初心者には、見た目の心地よさで選んでもいいのだという書の見方も伝えたい」と話す。
開催時間は10時~18時30分。入場無料。11月23日まで。