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きゅりあんで失語症者による朗読群像劇「言葉つなぐ明日へ」 トークショーも

ことばアートの会代表理事の石原由理さん(左から3人目)(写真提供=一般社団法人ことばアートの会)

ことばアートの会代表理事の石原由理さん(左から3人目)(写真提供=一般社団法人ことばアートの会)

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 朗読群像劇「言葉つなぐ明日へ」が7月1日、きゅりあん(品川区東大井5)小ホールで開催される。主催はことばアートの会(南大井3)。

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 失語症は、脳領域の損傷によって会話や文字による表現や理解が難しくなる言語障がい。ことばアートの会代表理事の石原由理さんは戯曲の翻訳家だったが、脳梗塞の後遺症で失語症を発症。職業柄身近だった朗読を練習したところリハビリの効果を実感し、現在はオンラインや対面で朗読教室を開いている。教室の運営経験を基に、発声や相づちの練習のほか、失語症者による朗読劇を取り入れたプログラムを考案し、「ウーマンズビジネスグランプリ2023 in品川」で優秀賞を受賞。今年3月に社団法人を設立した。

 第1部は、朗読群像劇「言葉つなぐ明日へ」を上演する。朗読教室を舞台に、失語症者のアツヒロや講師のユリコ、受講生らが苦しみを分かち合いながら障がいに立ち向かうストーリー。出演者は、実際に石原さんの朗読教室に通う受講生や、元宝塚歌劇団男役の真野すがたさんら10人。高次脳機能障がいが残って朗読教室に通う作家の鈴木大介さんが同演目の短編小説を書き下ろし、石原さんが脚本を手がけた。

 第2部は、トークショー「失語症者にとっての朗読とは」を開催。日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会(世田谷区)理事長で医師の長谷川幹さんと鈴木さんが登壇する。

 「戯曲に関わり失語症が回復した経験を持つ私だからこそ、朗読を教えることで苦しみに寄り添えるはず。当事者が開く朗読教室は珍しく、事業化の意義を感じた」と石原さん。「本公演は練習の成果を披露する場ではなく、戯曲翻訳家と失語症者の演劇。劇を通して、失語症者の内面や家族とのあつれきなどを理解してもらえたら」と意気込む。

 開場時間は13時、開催時間は13時30分~15時30分。チケット料金は、自由席=2,500円。障がい者手帳を提示すると、きゅりあんの地下駐車場料金が無料になる。

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