レストラン「kitchen g3(キッチンジースリー)」(品川区東五反田1、TEL 090-4176-9513)が、ランチタイムのメニューをハンバーガーに切り替えて1カ月がたった。経営はg3 food(同)。
同店は2020年9月にオープンし、「フレンチフュージョン」として洋風創作料理を提供してきた。店舗面積は約15坪。席数はテーブル=14席、カウンター=3席。
オーナーシェフの山口弘さんは、これまで銀座や三軒茶屋でシェアキッチンを使った出店経験を持つ。「路地裏で目立つ立地ではないが、過去の店でのお客さんが来店してくれている。最近は五反田周辺の人も気づいてくれるようになった」と山口さん。
たんぱく質を分解してうまみに変える「熟成肉」を使った料理を提供する。これまでは昼夜ともにコース料理を中心に提供してきたが、ランチタイムのメニューをハンバーガーに一新した。山口さんは「レストラン営業でのコースは1万円ほどになるが、もっとカジュアルに熟成肉を味わってもらうために、『手で食べられるコース料理』としてハンバーガーに行き着いた。ハンバーガーはアメリカの料理だが、要素を分解していくと西洋料理にもつながる点が多い。多店舗展開を見据えて、レシピの再現性も意識している」と話す。
ハンバーガーのパティには、店内で熟成した米国産ブランド牛「ブラックアンガス」の肩ロースを使う。「一般的な熟成では表面に菌を付着させるため、調理の際に削る部分が多くなったり衛生管理のリスクが増えたりするが、導入している熟成庫では菌を使わずに肉自体が持つ酵素を使うため、無駄になる部分が少ない」(山口さん)
具材は燻製(くんせい)してほぐした豚肉をバーベキューソースとあえた「プルドポーク」を、バンズはフレンチのパン生地「ブリオッシュ」を使う。「これまでの経験を生かした、自分にしか作れないハンバーガーを作ろうと思った。合いびき肉を使わずに牛肉100%のパティとプルドポークを合わせるのは、古典料理を分解して再構築するコース料理の考え方。バンズは肉の強い味に負けないリッチな味わいのブリオッシュを選んだ」と話す。
ハンバーガーは、看板商品の「The Burger(ザ バーガー)」(2,178円)、ビーフパティとチーズが2倍になった「ダブルチーズバーガー」(2,783円)、プルドポークなしの「クラシックバーガー」(1,628円)、ダブルチーズバーガーに自家製ベーコンを加えた「The Notorious(ノートリアス=悪名高い)」(4,213円)など。「チーズはバンズと牛肉をつなぐソースの役割を持つため、全てのメニューで使っている」と山口さん。フライドポテトとドリンクが付くセット(プラス550円~)も。
ドリンクは、クラフトコーラのもとをブドウジュースと炭酸水で割ったノンアルコールカクテル「モックルージュ」などを用意する。「ワイン用のブドウを使ったジュースとコーラのスパイスはソースのように機能してハンバーガーの味を引き立て、炭酸により口の中がすっきりして次の一口を新鮮に味わえる」という。
ディナータイムはこれまで通り、コース(9,980円~)や、「おまかせ前菜の盛り合わせ」(2,980円)などアラカルトメニューを用意する。The Burger・ポテト・ドリンクに前菜の盛り合わせが付いたショートコース(4,530円~)も。
「ハンバーガーの営業で店を知った人がディナーに来てくれたり、夜のお客さんが昼に子ども連れで来店してくれたりしている。コースメインのレストランはどうしても敷居が高い印象もあるので、まずはハンバーガーという入りやすい業態で来店してもらって、レストラン営業も身近に感じてもらえれば」と山口さん。「10月からは店名を『Occi(オクシ)』に変更し、今後は新ブランドとしての店舗展開や路面店の出店を計画している」とも。
営業時間は12時~16時、18時~23時。