TOC(東京卸売センター、西五反田7)ビルで現在、建て替え工事計画に伴う閉館のため、今年に入ってテナントの閉店・移転が相次いでいる。
1970(昭和45)年に完成した同施設。店舗やオフィス、飲食街、小売テナント、ショールーム、ホール、会議室、展示場などを備え、卸売業や流通業を支える五反田のランドマークとして知られる。地下3階・地上13階建て、延べ床面積=約17万4013平方メートル。
築後50年以上が経過していることから2021年8月、総合デベロッパーの「テーオーシー」(同)が建て替え計画を発表。新TOCビルは、地下3階・地上30階建ての高さ150メートル、敷地面積=約2万1536平方メートル、延べ床面積=約27万6000平方メートル、駐車場台数=880台を予定している。
当初の計画では、昨年3月末にビルを閉館、春頃に解体工事を始める予定だった。しかし、同社は2022年9月、世界的なインフレを背景とする建設関連費用高騰を主な理由に、閉館・解体工事の1年延期を発表した。
閉館が迫った今年1月以降は、飲食や小売テナントの閉店や移転が相次いでいる。海鮮丼専門店「まぐろのなかだ屋」は3月10日に閉店。青果店「旬八」は3月12日に最終営業を行い、同15日、東急池上線高架下に移転した。「五反田食事処・志野」は3月30日に閉店し、4月にオープンする五反田JPビルディング(西五反田8)1階のフードホールへの出店が決まっている。
「ユニクロ」「ABC‐MARTアウトレット」は2月4日、スポーツ用品「ロンドンスポーツ」は2月25日に閉店。3月10日に閉店した「アカチャンホンポ」は4月、大井競馬場前駅近くのショッピングセンター「ウィラ大井」に新規出店する。「THE SUIT COMPANY OUTLET」「DAISO」「スタジオアリス」は3月17日に閉店した。
3月30日は、ゲンロン(西五反田2)主催の「ゲンロン友の会14期総会『人間拡張』」が開催される。30日・31日にはTOCビル最後のイベントになると見られる「タミヤRCカーグランプリ 東京」が開催される。
3月末の閉館・春頃の解体工事着工が見込まれているが、TOC広報担当者に確認したところ、正式な回答は得られなかった。