大崎コミックシェルター実行委員会が8月21日、「大崎コミックシェルター2024夏」が開催22回目で初の黒字収支になったことを発表した。
会場に設置された「カンパBOX」(写真提供=大崎コミックシェルター実行委員会)
同団体では毎年夏と冬、東京ビッグサイト(江東区)で開催される同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」の日程に合わせて、コミケ参加者にJR山手線とりんかい線の乗換駅である大崎駅をアピールしようとJR山手線大崎駅南口エリアで飲食や物販ブースを出店している。
2012(平成24)年の第1回開催からこれまで、来場者に麦茶やビール、日本酒などの提供、近隣店舗で使えるクーポン配布、「情報系同人誌」と呼ばれる個人制作冊子の即売会などを毎年行ってきた。声優の山口勝平さんも大崎のマスコットキャラクター「大崎一番太郎」の声を担当し、イベントを盛り上げる。
同団体によると、今年8月11日・12日に開催した「2024年夏」の動員数は約7000人。ビール約300杯、麦茶約1000杯を無料で振る舞い、計120団体が参加した同人誌の即売会、Vチューバーのポスター掲出、物販などを行った。
同実行委員会スタッフの綱嶋竜太さんは「地元有志が非営利で続けてきたイベントで、運営費用は当日の売り上げやカンパなどでまかなってきた。過去には『超赤字』も経験したが、今回初めて収支が黒字になった。ほんの3万円程度だが」と笑顔を見せる。
黒字になった要因について、綱嶋さんは、物資の差し入れやカンパの状況、企業ブースの出店など「ちょっとしたことの積み重ね」と分析する。「自分を含め、オタクは『課金』が好き。会場ではプラコップ小1杯のビールを無料でふるまっているが、課金するとサイズアップできる。今年も売れ行きが順調だった」とも。
8月21日には「大崎コミックシェルター」の公式Xアカウントで黒字収支を報告。9月5日現在、242いいねを集め、「おめでとうございます」「うまいもの食おう」などと祝いの言葉が寄せられた。
綱嶋さんは「やっとコロナ禍前の雰囲気が戻ってきた。今後は、コミケ自体の規模感やあり方も変化していくといわれている。コミシェルは本家の『便乗』イベントを名乗りつつ、独自のファンを広げる方向にもかじをきっていきたい。出店する企業ブース数も増やしていけたら」と話す。
次回の大崎コミックシェルターは2024年冬を予定する。