新馬場駅近くの荏原神社(品川区北品川2)で現在、境内のカンヒザクラ(寒緋桜)が満開となり、参拝客が冬の花見を楽しんでいる。
709年創建と伝わる同神社は、品川の龍神として源氏や徳川など多くの武家の信仰を受けてきた。毎年6月に行われる牛頭天王(ごずてんのう)を祭る「天王祭」で知られる。東海七福神の一社として恵比寿神を御祭神とし、年始には東海道七福神巡りに訪れる参拝客でにぎわう。
境内にある2本のカンヒザクラは同神社のご神木。区内で一番早く咲く桜として、地域住民に親しまれている。枝先には、花蜜を求めてメジロやヒヨドリが止まることもある。5日は、望遠レンズ付きの一眼レフカメラを持ち、撮影を楽しむ人の姿が多く見られた。
カンヒザクラは台湾や中国南部が原産地で、日本では鹿児島や沖縄を中心に自生しており、鮮やかな緋紅色(ひこうしょく)の花が鐘状に下向きに咲くのが特徴。ヒカンザクラ(緋寒桜)とも言われるが、ヒガンザクラ(彼岸桜)と間違われることから、カンヒザクラと呼ばれることが多いという。
同神社スタッフは「今年は1月下旬から咲き始め、例年並みの開花となった。荒天がなければ、2月中旬までお楽しみいただけるのでは」と話す。
参拝に訪れた女性の一人は「青い空に桃色の花びらが映え、とてもきれい。毎年見に来ているが、この桜の美しさは何度見ても飽きない」と笑顔を見せていた。