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「ゲストハウス品川宿」が外国人帰国困難者を受け入れ 緊急事態宣言中は無料宿泊

「ゲストハウス品川宿」の外観(提供:ゲストハウス品川宿)

「ゲストハウス品川宿」の外観(提供:ゲストハウス品川宿)

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 北品川駅近くの「ゲストハウス品川宿」(品川区北品川1、TEL 03-6712-9440)は5月6日、ワーキングホリデーなどで訪日した外国籍の帰国困難者に向けて、無料の宿泊サービスを開始した。経営は宿場JAPAN(同)。

「ゲストハウス品川宿」の部屋(提供:ゲストハウス品川宿)

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 国内外の旅行者に地域交流型の宿泊サービスを提供する同施設。緊急事態宣言の延長を受け、新型コロナウイルスへの感染拡大防止を意識した滞在サービスを考案することにしたという。

 同社社長の渡邊崇志さんは「当初は、帰国した邦人の自主待機者向けに宿泊サービスを提供していた。その際、海外でワーキングホリデーをしていた方や、世界一周旅行中に滞在国がロックダウンした方から『宿やレストランが閉鎖され、食べるものもなく不安だったが、飲食店のフードドネーションやホテルの宿泊ドネーションに助けられた』という声を聞き、日本でもニーズがあるのではないかと考えた」と話す。

 対象は、ワーキングホリデービザなどを保有する外国籍の滞在者や、入国規制などで帰国が困難となって一定期間の国内滞在が必要な外国人。留学生も受け入れる。定員は約10人(応募数により増員を検討)。

 申し込みは、公式サイトの特設フォームまたはメールから受け付ける。利用者には、宿の個室と共用の浴槽付きシャワールームを提供する。

 滞在者には衛生上のルールを設けるほか、近隣のデリバリーやテークアウト対応店、周辺地域の「三密」の状況をまとめたオリジナルのマップを作成し、安心かつ安全に過ごせるための情報を提供する。

 「出身地はさまざまだが、英語はもちろん日本語が話せる人も多い。コミュニケーションはとれているものの、意思疎通の手段として感染防止策のイラストなども活用している」と渡邊さん。保健所にも消毒液の作り方をはじめ、細かな相談をしているという。

 「ワーキングホリデービザで来日し、農家などで稼ぎを得ながら日本文化を体験する予定だった方は、農家に高齢者が多いため受け入れを断られており、仕事探しが困難な状況。さらに、定期運航便の 欠航で帰国も難しい」と渡邊さん。「部屋は個室なので安全度は高い。これまでインバウンドの方を思って宿を運営してきた。今こそ彼らの力になれたら」と利用を呼び掛ける。

 無料滞在期間は、6月1日10時のチェックアウトまで。

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