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田町に「伝統文化交流館」 芝浦花柳界の見番を保存、地域の歴史資料展示

「港区立伝統文化交流館」外観

「港区立伝統文化交流館」外観

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 資料展示や講座を行う地域活動施設「港区立伝統文化交流館」(港区芝浦1、TEL 03-3455-8451)が田町駅芝浦エリアにオープンして3カ月がたった。指定管理者は、Kissポート財団(港区)らが参加する港区立伝統文化交流館運営共同事業体。

「港区立伝統文化交流館」交流の間

 同館は芝浦花柳界の見番(芸者の取り次ぎや精算をする施設)として1936(昭和11)年に建設。目黒雅叙園の建設にも携わった酒井久五郎さんが棟梁(とうりょう)を務めたことでも知られる。その後は「協働会館」と呼ばれる労働者向け宿泊所として東京都が運営したが、施設利用者の減少や老朽化のため2000(平成12)年に閉鎖。2006(平成18)年に同建物の保存についての請願が港区で採択され、2009(平成21)年に東京都から港区へ譲渡、港区指定有形文化財に指定された。

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 同館館長の山本正信さんは「解体案も出たが、地元の人から建物の保存を要望する声が挙がった。地元の声がなければ、当時の様子を伝えるこの建物はなくなっていたかもしれない」と話す。

 2年かけて改修および増築・移築工事を進め、2019年に完工。建物は木造2階建てで、見番や協働会館として使用されていた当時の装飾が各所に残されている。館内には多目的トイレやエレベーター、館外にはスロープを設置し、バリアフリーにも対応する。敷地面積は618平方メートル。

 1階には展示室、情報コーナー、憩いの間(喫茶室)を備える。展示室では花柳界や漁業の歴史資料、地域住民の写真やかんざしなどを展示する。情報コーナーでは、企画展やワークショップ参加者の作品展示を行う。「地元の人の作品など、少しずつ新たなものを足していきたい」と山本さん。

 憩いの間は現在館内利用を停止しており、ドリンクのテークアウトのみ販売する。ドリンクメニューは、有機栽培コーヒー、カフェラテ、紅茶、ジュース(以上150円)やスムージー(マンゴー、ミックスベリー=200円)など。

 2階には舞台付きの交流の間を設ける。「百畳敷」と呼ばれる交流の間は、落語などの公演に使う予定。現在は利用を取りやめているが、通常時は12時から14時まで休憩所として無料開放する。事前登録を行った区内在住、在勤、在学の団体または個人であれば、有料での貸室利用も。

 「歴史ある建物をそのまま利用した、ほかではあまり見られない施設。普段は触れることのない古い建物に当時の面影を感じてもらえたら」と山本さん。今後については「状況が落ち着いたら、文化の継承と地域の交流の場として、子ども連れの方にも気軽に利用してほしい」とほほ笑む。

 営業時間は10時~21時。現在は新型コロナウイルス感染症対策として入場人数を制限し、入り口に消毒用アルコールを設置、検温と来館者名簿の記入を呼び掛ける。

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