電動キックボードシェアサービス「movicle(モビクル)」ベータ版が8月21日、芝浦エリアで始まった。運営はCurious Edge(千代田区)。
電動キックボードを運転する様子(提供:Curious Edge)
同社は「3年後のビジョンを手に入れる」をモットーに掲げるエンジニア集団。ハードウエアとAIを組み合わせる新事業の一環として、同サービスの利用開始にこぎ着けた。社長の牧野勝さんは、開発経緯について「自社のソフトウエア開発技術と、既存のビジネスジネスモデルを応用できるサービスを考えた」と話す。
電動式キックボードは一般のキックボードとは異なり、地面を蹴る必要はない。最高時速は42キロで、走行時は公道を使用する。本体には、現在地およびポート位置を示すディスプレーと、耐荷重2キロのかごを搭載。公道で走行するには原動機付自転車のナンバーを取得し、運転免許証とヘルメット着用が必要となる。
貸し出し場所は現在、第3マキノビル(芝浦1)と「ロッテリア 田町芝浦店」(港区芝浦3)の2カ所。スマートフォンのアプリでポートの検索や電動キックボードの解錠、利用料の支払いが完結する。
利用プランはスタンダードプランと1時間プランの2種類。利用料金は、スタンダードプラン=250円(10分以降は10分200円)、1時間プラン=1,000円(1時間以降は同200円)。
サービス開始当日は、1時間で200人の利用希望者があったという。現在は、通勤・通学に利用する人や、夕方に芝公園までキックボードでの「ドライブ」を楽しむ人の姿も。
牧野さんは「自転車と軽自動車の中間の乗り物、いわゆる『小型モビリティ』は、海外では普及しているが、日本はまだまだ遅れを取っている。乗り物に強い日本のテクノロジーと相性がいい分野だけに、エンジニア出身として歯がゆい。キックボードの危険性を疑問視する声もあるが、ブレーキや速度にこだわり、日本の公道で安全に運転できる性能を実現した。国内に技術的な刺激を与えたい」と話す。
今後については、「現在はまだベータ版。ディスプレーの地図機能を充実させることで、目立ちにくい隠れた名店を紹介するなど、ユーザーの利便性を高めたい。また、使用履歴データを活用することで運転マナーが良いユーザーの利用料を安くするシステムの導入を視野に入れている。ポートの数も増やしていきたいので、キックボードを置かせてくれるスペースを募集している」と呼び掛ける。
営業時間は9時~20時。雨天時は休止する場合がある。運営状況はmovicleのツイッターで確認できる。