広域品川圏の公共施設で生理用品の無料配布が始まった。品川区、港区それぞれの取り組み。
品川区は4月6日に生理用品を無料配布する「優しさをかたちにプロジェクト」を開始。新型コロナウイルス感染症の流行により増加した女性の経済的負担の軽減を目的として、区職員を中心とした有志メンバー約10人で企画した。プロジェクト名の決定やロゴデザインの制作は、通常業務の合間を縫って進めたという。プロジェクト担当者の菅野令子さんは「柔らかいイメージを伝えられるようにしたかった」と話す。
災害用として数年前に購入した生理用品の一部、1772パックを配布する。配布窓口は、区内13カ所の地域センターに設けられた「支え愛・ほっとステーション」、品川区役所第二庁舎3階の「暮らし・しごと応援センター」、本庁舎7階の子育て応援課。このほか、区立小学校、中学校、義務教育学校のトイレに設置する。
受取時は、窓口に設置されたカードまたはスマートフォンで配布に関するウェブサイト画面を提示する。身分証の提示は不要。「窓口では、理由や身元を確認しない。気軽に受け取っていただきたい」と菅野さん。配布する生理用品には、「品川区暮らし・しごと応援センター」や「品川区子ども家庭支援センター」など、各種相談窓口の連絡先が書かれたシートを同梱(どうこん)する。
4月19日時点での区内各施設での配布数は95セット(学校配布分を除く)。在庫がなくなり次第終了。
港区は3月29日、防災備蓄や新規購入などで確保した生理用品の無料配布を始めた。配布場所は、区内7カ所の「子ども中高生プラザ」、芝浦アイランド児童高齢者交流プラザ(芝浦4)、港区子ども家庭総合支援センター(青山5)、港区人権・男女平等参画センター(芝浦1)、社会福祉法人港区社会福祉協議会(六本木5)。休日や夜間に子どもから大人まで気軽に来られる施設や、生理用品を受け取りに来た人が抱える相談を受け止められる施設を選んだという。
4月19日現在の配布数は153セット。配布予定数は1000セットで、配布期間は6月30日まで。プロジェクト担当者の西川克介さんは「配布期間の延長については、今後の経済情勢や配布状況を踏まえて検討する」と話す。