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三田・慶大「KeMCo」でエフェメラ展 60~70年代の画廊発行物中心に

南画廊カタログ(南画廊発行、1956-1979年刊行)、慶應義塾大学アート・センターおよびJapan Cultural Research Institute所蔵 撮影|村松桂(カロワークス)(写真提供=KeMCo)

南画廊カタログ(南画廊発行、1956-1979年刊行)、慶應義塾大学アート・センターおよびJapan Cultural Research Institute所蔵 撮影|村松桂(カロワークス)(写真提供=KeMCo)

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 展覧会「エフェメラ:印刷物と表現」が3月18日、「慶応義塾ミュージアム・コモンズ(通称=KeMCo)」(港区三田2、TEL 03-5427-2021)で始まる。

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 「エフェメラ」とは、チラシやパンフレットなど、時限的な情報の掲載や使用を主な目的とする筆記物や印刷物のこと。長期的な保存を本来の目的としないことから、「ephemera(1日だけの、短命な)」を語源とし、時代の出来事や空気を伝えるアイテムとして近年は個人や文化機関で収集の対象になっているという。

 同施設学芸員の長谷川紫穂さんは「収集機関によってエフェメラの範囲が変わってくる。美術的な観点でポスター展が開催されたり、アート作品の理解を深める副次的資料として展示されたりすることはよくあるが、エフェメラそのものに焦点を当てる展示は多くないのでは」と話す。

 同展では特に印刷物にフォーカス。慶大の研究室や外部機関が収集するエフェメラを紹介する。画廊の発行物など60~70年代の印刷物が中心で、南画廊のカタログや草月アートセンターの機関誌、オランダのArt & Project画廊によるニュースレターなど。「エフェメラの同時代性や現代のアートシーンに通じる雰囲気を感じてもらえたら」と長谷川さん。エフェメラに関心を寄せる現代アーティストの河口龍夫さんと冨井大裕さんの作品も展示する。

 関連プログラムとして3月25日、ギャラリートークを開催する。会期中にはアーティストトークなども予定する。

 「過去のイベントに関するニュースレターなどのエフェメラからは、写真や映像の記録とは別の形で当時の空気感が伝わってくる。はかない物といいつつ、そのコンセプトや表現の強さには見応えがある」と長谷川さん。「カタログや機関誌といった印刷物のエフェメラは一般の人が図書館などで自由に検索・閲覧できるケースも多い。同展では展示物を手に取ることはできないが、エフェメラに興味を持った人が自ら情報収集や資料検索するための手立ても示したい」と話す。

 5月10日まで。ギャラリートークへの参加申し込みはウェブサイトで受け付ける。

 同施設の開館時間は11時~18時。3月30日と4月20日を除く土曜・日曜・祝日および4月1日、4月30日~5月2日休館。入館無料。

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