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大井町駅前に高さ最大12メートルの公衆トイレ完成 オストメイト対応など6棟

「大井町駅前公衆便所」外観

「大井町駅前公衆便所」外観

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 大井町歩道橋近くの「大井町駅前公衆便所」(品川区大井1)改装工事が完了し、その独特な外観が地元で話題になっている。管理は品川区。

「大井町駅前公衆便所」

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 同所に公衆トイレが設置されたのは1993(平成5)年。施設の老朽化のため、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、「大井町駅前の顔となる使いやすいトイレ」を目指して改装したという。

 新たに塔状の男女共用トイレを6棟配置した。各個室は、おむつ交換台やベビーチェア、着替え台、パウダールーム、オストメイト対応、車いす対応など、それぞれ異なる設備を備える。建設面積は約427平方メートル。塔の高さは最長で12メートル。

 個室内は、空気が下から上へと自然換気される設計で、天井は吹き抜けになっており、自然光を取り込める。ピクトグラム近くに設置されたライトが点灯していれば、トイレの使用が可能。

 区は、公益社団法人日本建築家協会の協力・支援の下、実績などの応募制限を設けない設計コンペティションを実施。応募227作品の中から「あかるい建築計画」(神奈川県)の川嶋貫介さん・斎藤信吾さん・根本友樹さんによる設計案「7つの塔がつむぐ都市の風景」が最優秀賞に輝いた。

 建設敷地が線路から近いため、夜間工事を抑え、仮設足場を設けずに工事を進行。鉄骨工場でボックス形態の各棟を製作してから敷地に運び、一晩に1棟ずつ建てたという。

 「大井町には、高層ビルと中低層の飲食店・住宅が並んでいる。2つのスケールを結びつけるようなボリュームを大事に設計した。美しい街の風景の一つとして、きれいに使いたくなるだけでなく、これからの社会に適したトイレを目指した」と川嶋さん。「性別や性差を問わずに自分の目的に合ったトイレを選べるよう、各トイレに異なる機能を与えた。多様性を感じさせる公衆便所の新しい『かた』を作りたかった」とも。

 品川区公園課課長の髙梨智之さんは「既成概念を覆すトイレ。区民からは男女共用についての厳しい意見もあったが、今後の社会に必要なコンセプトだと考えている。一方で、トラブルを心配する意見も理解はできる。今後の課題として考えていきたい」とも。

 「大井町は品川区の顔になる駅の一つ。より多くの人にトイレを利用いただき、愛着を感じてもらいたい」と呼び掛ける。

 同公衆トイレは利用者が多いため、1日3回の清掃を行っているという。

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