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戸越公園内に環境学習交流施設「エコルとごし」 子ども向け体験コンテンツも

「エコルとごし」外観

「エコルとごし」外観

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 品川区立環境学習交流施設「エコルとごし」(品川区豊町2、TEL 03-6451-3411)が5月1日、戸越公園内にオープンした。指定管理者はアクティオ(目黒)。

3階の映像展示室

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 2018(平成30)年の品川区環境基本計画にのっとり、環境教育・コミュニケーションの充実や環境都市の実現を目指して整備された同施設。キャッチコピーに「つなぐ つづける つくりだす ~エコなミライへ~」を掲げ、「未来をつくる子ども」と「子どもを支える人たち」をターゲットに、体験型の学びの場を用意する。

 建物は、同公園の管理事務所跡に新設した。地上3階建ての鉄骨造で、敷地面積は約406坪、延べ床面積は約564坪。

 同施設は、都内公共施設として初めて、環境省による「Nearly ZEB(ゼブ)」の認証を取得した。ZEBはNet Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支ゼロを目指す施設。「Nearly ZEB」は4段階中、上から2番目のランクで、同施設では91%のエネルギー量の削減を見込む。

 屋上には、屋根の表面積の約7割を覆う太陽光発電のパネルを設置し、1日あたり約125キロワット(一般家庭の1日分、11世帯)を賄う。奥行き3メートルのひさしを設け、壁面に在来種のキヅタをはわせて壁面緑化を行うことで、夏場の室温上昇を防ぐ。空調は地中熱を利用し、人の居住域に合わせて床から2メートル部分を効果的に行う。地下水槽では雨水をため、トイレの洗浄水などに使う。

 3階の映像展示室は、床を含めた4面スクリーンに大型映像を投影する。同施設独自の内容で、約20分間。プログラムは、未就学児向け「いきものタッチ」と、小学生以上を対象に暮らしのなかでできることを学ぶ「バランスプラネット」の2種類を用意する。「バランスプラネット」では、参加者はリストバンドを付け、指定された箇所をタッチして得点する。

 常設展示室は「トイカケのジカン」と題して、1秒、1日、1年、10年にそれぞれ環境を変化させる行動や課題を体験型の展示やパネルで解説する。講座やワークショップに利用できる多目的スペース(定員=100人)も備える。メッセージ展示室では、「100年後の未来について」などのテーマを設け、来館して気づいたことや感想を来館者が記入する参加型展示を行う。記入用紙には、バナナペーパーなど環境に配慮して作られた紙を用いる。

 2階の展示室には、自治会などで利用できる地域交流室(定員=27人)と、地域ボランティア団体向けのボランティア室(定員=25人)を用意する。

 1階のエントランスには「見える化モニター」を設置。発電や地熱利用の状況を知らせる。58席を設けるコミュニティラウンジには、キッズスペースを併設する。

 品川区企画部施設整備課長の小林剛さんは「戸越公園は区内の中心にあり、自然豊かな立地。実際に木々などの自然を見ながら環境について考えられる場を整えることができた。ぜひ活用してほしい」と話す。

 開館時間は7時~21時30分。貸室=9時~21時30分。映像展示室、常設展示室、キッズスペース=9時~18時。毎月第4月曜定休。

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