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荏原のセイムギャラリーで「盗めるアート展」 来場者は「アート泥棒さま」に

「盗めるアート展」のDM(提供:same gallery)

「盗めるアート展」のDM(提供:same gallery)

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 来場者が展示作品を盗む「盗めるアート展」が「same gallery(セイムギャラリー)」(品川区荏原4)で7月10日から開催される。

ギャラリーの内観(提供:same gallery)

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 場所は中原街道沿いの荏原郵便局近く。3月にオープンしたギャラリーで、会社員や写真家、編集者、ライターなど10人のメンバー「same」が運営する。店舗面積は約40平方メートル。

 ギャラリー名には無個性でニュートラルという意味を込めたという。作品展示のほか、フリーマーケットや音楽イベントをベースにした実験的なイベントや、写真家のフォトスタジオとして利用する予定。3月に開催したオープニングパーティー「Bring Your Own Art Party」では半日で約100人が来場した。

 今回の「盗めるアート展」は、同ギャラリー初の展覧会。4月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期していた。企画趣旨に賛同した現代アーティストとクリエーターが作品を展示し、来場者は作品を「盗む」ことができる。参加アーティストは、美術館で展示経験のある作家から、若手まで全11グループ。作品数は1グループ1作品。

 展示期間中は近隣住民の迷惑にならないよう安全面に配慮し、「作品を持ち帰る方を『アート泥棒さま』と呼ぶ」「盗む作品は1組につき1点限り」など、10のルールを設ける。会場にはスタッフを配置せずセキュリティー目的の設備も用意しないが、カメラを設置して録画映像をインスタグラムのストーリーで配信する予定。

 sameのメンバーで、主催者であるクリエーティブディレクターの長谷川踏太(とうた)さんは「アート作品と鑑賞者の関係は、美術館での観賞やギャラリーでの購入がほとんどだが、もっといろいろな付き合い方を提案したいと考えた。盗まれる前提の作品展示は、来場者やクリエーターの意識に変化を起こすのでは」と話す。「24時間無人営業の古本屋『BOOK ROAD』(武蔵野市)のような営業方法を知り、ギャラリーを開放するのは面白そうだと思った」とも。

 「開催延期後、外出自粛明けに再度展示の告知をしたところ、大きな反響があった。文化的なイベントへの欲求が高まっているように感じた」と長谷川さん。「僕ら自身、何が起こるか分からない試み。ぜひ楽しんでほしい」と呼び掛ける。

 7月9日18時からオープニングレセプションを開催。「盗める」展示開始は10日0時からで、24時間オープン。ギャラリーの最新情報はインスタグラムで更新予定。

 今月19日まで。全作品が盗まれ次第終了する。

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