ミュージアムラボ「1枚だけ」の絵画展-先端技術でハイテク展示

© 2008 Musee du Louvre / Georges Poncet 手前から奥へと続く、無人の部屋。逆光になった鍵のモチーフで奥行きを出し、右側から明るい光を描くことでもう一つの扉の存在を感じさせるなど、見える空間と見えない空間を光と影で表現している。

© 2008 Musee du Louvre / Georges Poncet 手前から奥へと続く、無人の部屋。逆光になった鍵のモチーフで奥行きを出し、右側から明るい光を描くことでもう一つの扉の存在を感じさせるなど、見える空間と見えない空間を光と影で表現している。

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 「ルーヴル‐DNPミュージアムラボ」(品川区西五反田3、TEL 03-5435-0880)は12月6日から、第5回展「ファン・ホーホストラーテン≪部屋履き≫問い直された観る人の立場」を開催する。

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 同館は、ルーヴル美術館(フランス、パリ)と大日本印刷(東京都新宿区)による共同プロジェクトとして設立された美術館。ルーヴル美術館のコレクションを実際に鑑賞できる展示室があり、ホワイエ・シアターではタッチパネルや180インチのスクリーンでの上映などを駆使したハイテク展示を行っている。

 第5回展では、17世紀に生きたオランダ人画家、サミュエル・ファン・ホーホストラーテンの絵画≪部屋履き≫を1点のみ展示。リアルな部屋のサイズに引き伸ばされた映像による仮想空間で空間構成を体感したり、作品画像の分析を自ら行いながら、絵画における空間表現技法を理解できる。そのほか、同作品が描かれた歴史背景や画家の人物像などに迫ることで、1枚の絵画を深くナビゲーションする。

 ホーホストラーテンの≪部屋履き≫は無人の室内を描いているが、ほうき、溶けかけのろうそく、脱ぎ捨てられた部屋履きなどが人の気配を感じさせる作品。17世紀のオランダ絵画の特徴として見られる画中画も存在し、謎めいた雰囲気で人気を呼んでいる。

 今回、同作品を展示作品に選んだ理由について、同社ICC本部の飯田直子さんは「≪部屋履き≫は、ルーヴル美術館のオランダ絵画コレクションの中でも、最も優れた作品のひとつ。分析や解釈が豊富にできる作品だったことから展示を決めた。来年2月28日から国立西洋美術館で開催される『ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』と連携した内容になっているので、今回の展示で一足先に17世紀絵画を楽しんでもらいたい」と話す。

 開館時間は、月曜・火曜・木曜=17時~19時。水曜・金曜=17時~20時30分。土曜=11時~17時30分。日曜祝日定休。要予約。同ラボのウェブサイト(http://museumlab.jp/)または電話で受け付ける。来年5月16日まで。

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