船の科学館「羊蹄丸」の譲渡先が決定-来年度に新居浜東港で公開へ

羊蹄丸は、1965(昭和45)年に青函連絡船として建造

羊蹄丸は、1965(昭和45)年に青函連絡船として建造

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 現在リニューアル準備を進めている船の科学館(品川区東八潮3、TEL 03-5500-1111)に展示されていた「羊蹄丸(ようていまる)」の正式な譲渡先が決定した。

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 6万トン級の大型客船を模したユニークな本館が特徴の同館は、老朽化のため9月30日で本館と羊蹄丸の展示を休止。羊蹄丸については、今後も展示・保存していくには大規模な改修が必要となり、維持管理が難しいと判断され、無償譲渡先を募集していた。

 譲渡申請は11件。国内のほか、中国、ベトナム、バングラディッシュなどでの活用案件も含まれていたという。最終的な譲渡先は「えひめ東予シップリサイクル研究会」(愛媛県新居浜市)に決まった。

 羊蹄丸は、2012年度に新居浜市の市制75周年、新居浜工業高等専門学校の創立50周年を記念し、新居浜東港一般公開される予定。一定期間公開後は、同研究会を中心とした地域の産学官連携で、羊蹄丸を解撤(かいてつ)しながら研究と開発を行う。目的は、開発途上国で行われてきた劣悪な環境下での船舶解散を規制するめに2009年に採択された「先進国型シップリサイクルシステム」確立のため。

 「シップリサイクル条約」が発効すると、原則として大型船舶は自国での解撤が義務付けられる。これを見据えた事業計画と、地元新居浜市から全面的な協力体制を受けていることが決め手となった。

 同館企画広報課の梶谷東輝さんは「一般公開後に解撤するという計画であるが、船舶にとって避けては通れない『解撤』についても、今後日本でも必要となる『先進国型のシップリサイクルシステム』確立のための大きな礎として役立てていただきたい」と期待を寄せる。

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