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品川駅前のシナガワグース跡に「アリガトウ」の窓文字 京急社員が企画、8日間限定

シナガワグース跡の窓文字「アリガトウ」

シナガワグース跡の窓文字「アリガトウ」

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 今年3月末に閉館した品川駅高輪口前の複合商業施設「SHINAGAWA GOOS(シナガワグース)」(港区高輪3)跡に10月22日、感謝を伝える「窓文字」が掲示された。企画は京浜急行電鉄(神奈川県)。

担当者の金子正輝さん

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 同施設はこれまで、バレンタインデーやクリスマスなど季節のイベントに合わせた窓文字を不定期で掲出していた。閉館後、最後の窓文字メッセージを出そうという意見が社内で持ち上がり、若手社員たちが企画したという。

 担当者の金子正輝さんは「閉館後、これまでの感謝の気持ちをどうやって伝えればよいか思案した。11月から本格的に解体作業が始まるので、建物の形が残っている最後の期間に感謝を伝えたかった」と話す。

 「旧シナガワグースを活用した品川駅西口地区一帯の再開発は、長期的なプロジェクトになる。ゆくゆくはいまの若手社員が、プロジェクト全体を引っ張っていく存在になるはず。そこで今回の企画では、若手社員で最初から最後まで挑戦してみることになった」とも。

 「窓文字」は、元客室にピンク色の画用紙を貼り、「アリガトウ」の文字とハートを表現するもの。約半年前から計画に着手し、図面に色を付けてシミュレーションを重ねてきた。文字の色は、実際に画用紙を部屋に貼り、どの色が一番見えやすいかテストをした結果、ピンク色に決定したという。

 「シナガワグースの特徴は、客室の窓が大きく、部屋の間隔がせまいこと。つまり、1つの窓のドットが大きく見えるため、複雑な文字は表現しづらかった。結局さまざまな候補から検討し、カタカナ5文字で『アリガトウ』を採用した」と金子さん。

 設置当日は、若手社員を中心に建設会社の応援を含め、約20人で作業を行った。画用紙を貼った部屋は計104部屋。窓のサイズ(縦1385ミリ×横2016ミリ)に合わせて、1つの窓に対して問屋から特注で仕入れた画用紙4枚を貼り合わせたという。約3時間半で完成した。

 「これまでご愛顧いただいたお客さまはもちろん、地域の皆さまの支えがあって今まで営業を続けられた。感謝の気持ちが伝わればうれしい」と金子さん。「コロナ禍で閉館セレモニーが大々的にできなかったので、このようなパブリック・メッセージを発信した。少しでも品川に関心を寄せ、思い出に浸っていただく機会になれば」とほほ笑む。

 掲示は10月29日15時ごろまで。

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