京急本線立会川駅ホーム上の駅名看板に4月2日、副駅名「大井競馬場」が掲出された。

立会川駅・下り浦賀方面ホームの駅名看板

　京浜急行電鉄（神奈川県）は2013（平成25）年から、対象駅を最寄りとする企業・施設などに向けて、副駅名広告（＝ネーミングライツ）を販売している。東京シティ競馬（大井競馬場、品川区勝島2）を主催する特別区競馬組合が購入した。

　立会川駅から大井競馬場までの距離は約700メートル。同組合では徒歩12分と案内している。同駅では2009（平成21）年から、到着する電車の接近を知らせる「駅メロディー」としてスティーブン・フォスター作曲の「草競馬」を採用。流れるパートは上下線のホームで異なる。

　副駅名の掲出について、同組合広報課は「立会川駅が大井競馬場に近いことを鉄道利用者に案内するとともに、近隣住民や商店街に向けて、さらに競馬場へ親しみを持ってもらうため」と話す。掲出開始時期については、「コロナ禍における社会活動に回復の兆しが見えてきたタイミングで、大井競馬場を改めてアピールしたいと考えた」とも。

　副駅名が掲出された駅名看板は、立会川駅上下線のホーム各4枚の合わせて8枚。SNS上では「大井競馬場へはいつも東京モノレールの大井競馬場前駅を利用していたので、立会川駅から行けるとは知らなかった」といった投稿も見られた。

　立会川駅前の商店街・立会川龍馬通り繁栄会は、これまで大井競馬の開催に合わせて街灯を装飾したり、商店街の名を冠したレースや競馬場内でプレゼント抽選会を行ったりするなど、大井競馬場と共同でイベントを手がけてきた実績を持つ。

　同商店街の広報担当で「ヤマキいとう」（東大井2）番頭の菊池利男さんは、「立会川はやっぱり大井競馬場の街。競馬開催による混雑のピーク時は、商店街を横断できないほど混雑したこともある。副駅名を機に、改めて立会川という街を知ってもらえれば。競馬場からの帰りには、商店街の飲食店にもぜひ立ち寄ってほしい」とほほ笑む。

　次回の大井競馬の開催は5月9日～13日の5日間。各日5000人を上限として入場を受け付けるという。